原発オバサン 太田房江参院議員と経産省OB軍団が狙う「横やり再稼働」
2014.03.13
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太田氏は今回提出されたエネルギー基本計画の政府原案が「すべての知見を集めて練られた、バランスのとれた計画案だ」としている
Photo:鬼怒川 毅
 夏にも川内(せんだい)原発再稼働――。震災から3年を経た3.11の翌日、新聞に大見出しが躍った。
 再び日本に原発の火がともる日が近づいている。
 原発立地地域やその周辺地域から選出された議員は、原発再稼働を強力に推進している。その多くが、原発関連産業や地元ゼネコンから「カネと票」という利益供与を受けている「原発族」だ。
 隠れた「原発族」は、ほかにもいる。経産省OB議員である。
 その一人、元大阪府知事の太田房江参院議員(62)は本誌取材に対し、
「安全が確認された原発から再稼働するべきだと思います」
 と明言した。太田氏は’00年、関西電力元会長の秋山喜久氏に大阪府知事選に担ぎ出されており、財界とも関係が深い。
――太田議員はエネルギー基本計画策定を急ぐ発言をしています。
「国民の生活の安心のため、産業の基盤となる電力についての方針を早く明確に打ち出さなくてはいけません」
――現在の原子力規制委員会の体制についてはどう考えますか。
「規制委員の5人の肩に国民全員の安全がかかっているのは制度として適切ではない。再稼働については政府しか責任ある判断をできないのではないか」
"再稼働のスイッチを政府の手に取り戻そう"という勢いなのだ。
 自民党内にはほかにも、細田博之衆院議員(69)、西村康稔(やすとし)衆院議員(51)、細田健一衆院議員(49)、町村信孝衆院議員(69)など経産省OBが数多くいる。彼らの多くは、党内の再稼働推進派議員が集う電力安定供給推進議員連盟(議連)で幹部を務める原発族だ。
 なぜ経産省OBは原発族となるのか。元経産官僚の古賀茂明氏が解説する。
「経産省には、農水省にとっての農協、国交省にとってのゼネコンのような強力な利益団体が少なく、電力会社が唯一『カネと票』を都合してくれる団体です。経産省OBが議員になる際には電力会社が丸抱えでお世話をします。
 また、議員になったあとも経産省最大の利権である電力業界にすり寄り、原発族となっていくわけです」
経産省OBの"活躍"
 内閣府で経済財政政策を担当する副大臣の西村氏は、昨年5月に九州財界人との懇談で「原発を再稼働してほしい」という要請を聞き、経済財政諮問会議に報告している。
 議連会長を務める細田博之氏は党内反対派の意見をモノともせず、基本計画の閣議決定を急いでいる。
「3月5日の基本計画をめぐる自民党内の会議で、党内の再稼働反対派、長谷川岳(がく)参院議員(43)が熱弁を振るって、計画に再生可能エネルギー割合の数値目標を書き込むことを要請しました。しかし、細田氏は『数字を書き込むことには反対です』としたうえで、『(基本計画についての)議論は収斂(しゅうれん)しつつある』と締めくくりました」(全国紙政治部デスク)
 特筆すべきは、議連顧問の町村氏。2月27日の派閥会合で、
「(規制委は)審査に時間がかかりすぎ。常識からはずれているのではないか。エンドレスの作業をしている」
 と規制委を公然と批判した。
「とんでもない話です。規制委は、政治家の影響から独立した委員会として原発事故後に設立された。しかし、町村氏の発言は安全じゃない原発でも早く再稼働させろと規制委に政治的圧力をかけてるのと同じ。事故前のマネジメントに逆戻りしようとしている」(前出・古賀氏)
 省益、私益のため、国民の命を人質にして原発を動かそうとしている。再び事故が起きたら、彼らに責任が取れるのか。
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細田博之氏。完成直前に震災が起き、一度も動いていない地元・島根原発の3号機稼働が宿願
Photo:鬼怒川 毅
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西村氏。昨秋、「年明けに何基か動き出すことを期待したい」と話した
Photo:鬼怒川 毅
HOT WORD: 原発
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