地質学の権威が警告 ストップ再稼働!「川内原発直下に活断層」の恐怖
2014.03.26
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立石氏らが発見した断層。縦に"亀裂"が走っているのが分かる。指でこねられるほど柔らかく、活断層の疑いがある
 東日本大震災から3年というタイミングを待っていたように、政府は間もなく、原発再稼働へのゴーサインを出す。
 去る3月13日、原発の安全について審査を行う「原子力規制委員会」が、川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)1・2号機の安全審査を優先して行うことを決定した。委員らの発言からも、近日中の再稼働容認は確実だ。
「審査に関する会合の回数を増やすなど、規制委は川内原発の安全審査を急ピッチで進めています。認可が下りれば、川内原発は夏にも再稼働する見込みです。4月15日からは鹿児島2区で補選が行われますが、自民党はバリバリの再稼働容認派を公認候補としました。すでに再稼働後を見据えているのです」(全国紙経済部記者)
 しかし、本当に川内原発の再稼働に問題や不安はないのだろうか。
 原子力規制委は、再稼働に向けていくつかのハードルを設定している。そのひとつが「重要施設の直下に活断層(将来的に活動する可能性がある断層)がないこと」だ。原発建屋や重要施設の下に活断層があれば、大きな地震が起こったときに建物が壊れたり、配管などが破壊されたりして、破滅的な事故につながる恐れがあるからだ。
それでも調査しない
 九州電力はこれまで、規制委員会に「川内原発周辺に活断層はない」と報告してきた。ところが、再稼働が目前に迫ったいま、この報告を疑う声があがっている。
「現地調査を行った結果、活断層らしき断層が見つかったのです」
 こう証言するのは、地質学を専門とする立石雅昭・新潟大学名誉教授だ。長年にわたり地層の研究を行い、新潟県の依頼を受けて柏崎・刈羽原発の安全管理にも携わってきた。立石氏はかねてから「川内原発に活断層はない」という九州電力の主張に疑問を感じていたという。
「去る2月に川内原発の敷地を訪問し、近辺の地質を調査しました。すると、原子炉の北東約800mのところに、幅20㎝から30㎝の断層が3本、見つかったのです(写真参照)。断層の中にある粘土を触ってみると指でこねることができるほど柔らかかった。これは、比較的新しい年代に断層が動いた証拠であり、また、将来再び動く可能性があることを示しているのです。私は、この断層は活断層である可能性が高いと思っています」(立石氏)
 問題はこの断層がどこまで伸びているかだが、立石氏は「原発施設の地中まで届いている可能性もある」と言うのだ。立石氏の指摘によると、川内原発が建てられる前の、まだ付近の地形が残っていた頃の航空写真を見ると、海岸部から原発敷地中央にほぼ東西に走る「リニアメント」(活断層などによってできたと思われる地形の特徴)らしきものが確認できるという。「このリニアメントが、先の断層とつながっているのではないか」(同)と推測するのだ。
 この断層が活断層であるのか、そして建屋などの施設の直下にまで伸びていないか、九州電力が調査すべき、と立石氏は訴える。
「原発敷地内の断層は、われわれでは調査できません。ところが、九州電力はこの断層について調べていないのです。調査もしていないのに、原子力規制委員会に『活断層はありません』『再稼働させてください』と報告している。それはおかしいのではないでしょうか」
 本誌は九州電力にこの断層について問い合わせたが、
「(今回指摘された断層についての)調査は行っておりません。(今後調査を行うかどうかは)検討しているところですが、それを評価の対象にするかどうかはわかりません」
 と答えるのみだった。
 実は、九州電力は「活断層についての調査がずさんだ」として、昨年2月、政府・地震調査委員会からダメ出しを受けたことがある。
 薩摩川内市の「原子力発電所対策調査特別委員会」の委員を務めている市議の井上勝博氏もこう証言する。
「委員会に九州電力の方々を呼んで、活断層についてもう少し慎重に調査すべきではないかと聞くのですが、『原子力規制委に報告しているし、規制委でOKならそれでいいんじゃないですか』という感じで、真剣に安全性について考えているとは思えないんです。とにかく『再稼働ありき』で考えていて、それを遅らせたくないんでしょう」
 3月16日、鹿児島市では川内原発再稼働反対を訴える集会に、約6000人の市民が集まった。しかし、自民党と財界が進める再稼働への動きを止めるのは容易ではない。
「薩摩川内市の商店街で再稼働反対の署名をお願いしても、『九電の社員さんも店に来るので、店にクレームが来るかもと考えると、署名できない』などと断られる方がたくさんいました。でも、匿名で賛否を聞いてみると反対は50%、賛成が18%なんですよ。再稼働には賛成できないけれども、表立っては反対と言えない、そんな空気が醸成されているのです」(井上氏)
 電力会社の論理を優先させて安全神話をごり押しすれば、「いつか来た道」を辿ることになる。
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