原発回帰の基本計画を閣議決定 民意無視の「原発続々再稼働→新設」絶対許せない!
2014.04.22
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中国電力が上関原発設置を計画する山口県上関町を地盤とする岸氏。次期首相の声もあるバリバリの原発族だ
Photo:鬼怒川 毅
〈原発は、エネルギー効率や経済性の高い重要なベースロード電源〉
〈(原発の発電規模について)確保していく規模を見極める〉
 4月11日に閣議決定されたエネルギー基本計画で、安倍政権の民意無視、原発回帰路線がいっそう明らかになった。
 環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏は、この決定を大批判する。
「私は基本計画を『5つの大罪』と呼んでいます。ひとつは公約違反。自民党は前回の総選挙で『原発依存度を下げる』と叫んでいた。基本計画はこの公約と正反対です。次に福島第一原発事故の反省、教訓が活かされていないこと。事故に関する文言を削除するかどうかで議論している時点で、反省していない証拠です。3つめは民意を無視していること。世論調査で国民の8割が原発は要らないと言っている現実をひっくり返すのは、国民に対する大きな裏切りです。そして内容がデタラメ。原発が安価というのは、3.11で崩れた論理です。最後に未来への無責任。本来、新しいエネルギー基盤を作らなければならないのに、将来世代への裏切りにほかなりません」
 まさに、この計画は欺瞞に満ちたものだ。原案の冒頭には〈原発依存を可能な限り低減する〉と書いてあったのに、閣議決定後は文が変更された。代わりに書かれたのは、〈エネルギーの安定的な確保が国の課題〉という文言。つまり、やはり輸入燃料に頼らない原発こそ、日本には必要だと強調しているのだ。
 事故から3年がたち原発に優位性がないことは明らかになった。低廉といわれていたコストも、現在計算されている事故処理費用の11兆円を加算すると、輸入燃料に頼る天然ガス発電と変わらない。
 にもかかわらず、国は九州電力の川内(せんだい)原発(鹿児島県)を今夏にも再稼働すべく動いている。本誌4月11日号で報じたとおり、すぐ近くに活断層らしき断層が走っていることを無視して、だ。
もんじゅに2兆円費やした
 安倍晋三首相の実弟、岸信夫代議士や細田博之幹事長代行ら原発族の後ろ盾を得て官僚もますます尊大になっている。
「基本計画の協議のために、何名かの議員が集まった3月24日のこと。当初、再生可能エネルギーの数値目標は30%と明記されていたのですが、消されていた。それを知った脱原発派の長谷川岳議員が、資源エネルギー庁の担当課長に数値目標を明記するように求めたんです。しかし、課長はイスにふんぞり返って足を組んだまま、『できません』と答えた。すると『反対派も推進派もマジメに議論しているのに、その態度はなんだ!』と長谷川さんが激高して退席、話し合いが流れたんです」(与党議員秘書)
 結局、再生可能エネルギーは〈これまでをさらに上回る水準の導入を目指す〉とだけ記された。具体的な数値目標をなくすことで、原発の再稼働、ひいては新設にまで含みを持たせたのだ。現状でも、震災前に計画された大間原発(青森県)の建設が進んでいる。
 これまで国が2兆円をかけながら失敗が続いている「もんじゅ」についても、国はこだわり続けている。京都大学原子炉実験所の今中哲二助教が語る。
「燃料を増殖することはあきらめ、半減期の長い放射性物質を短い物質に変えるための炉として使おうという話ですが、技術的に危険であることは変わらない。20年前にも同じようなことを試みましたが、失敗しています。今回も、うまくいくとは考えにくい」
 もんじゅで生成されるプルトニウムは核爆弾の原料となる。これを日本が所持することについては、米国も警戒を強めている。
 国民の安全や意見など、どうでもいい。とにかく早く原発の再稼働、新設をと動く安倍政権の罪は万死に値する。
HOT WORD: 原発 安倍首相
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