130兆円を運用するGPIFのドン・水野弘道の正体
2015.02.23
LINEで送る

[singlemenu][ptitle]
「なだ万」命。大のマスコミ嫌いで上から目線のエリートを安倍官邸が大抜擢
image
金融界でも名の通っていない水野氏の実力は未知数だが、「金融関係の経験も豊富で、英語も抜群に上手です。彼ほど適任の人はいないと思います」(堀氏)
 米国の大学でMBAを取得、英国の大手投資顧問会社コラー・キャピタルではアジア地域の代表を務め、京都大iPS細胞研究所のアドバイザーにも名を連ねるエリートが、我々の国民年金130兆円を運用することになった。
 1月5日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の最高投資責任者(CIO)に就任した水野弘道氏(49)だ。
ロンドンで活躍した金融マン
 水野氏をCIOに抜擢したのは、安倍晋三首相(60)の懐刀である世耕弘成官房副長官(52)。世耕氏は、グロービス経営大学院の堀義人学長の紹介で水野氏と知り合い、その政策提言と投資専門家としての実力を高く評価してGPIFの要のポジションに据えた。しかし、この「官邸トップダウン人事」に、早くも塩崎恭久厚労相が猛反発しているという。
「就任は1月5日でしたが、水野さんが塩崎さんのところへ挨拶に行ったのは2月に入ってから。その場で塩崎さんから『誰に断ってCIOの名刺を配ってるんだ?』とかまされ、歯嚙みしながら頭を下げたと聞いている。水野さんは『世耕さんに頼まれたからやっているが……』とボヤいているそうだ」(自民党ベテラン議員秘書)
 塩崎厚労相以下、監督官庁の厚生労働省との関係は波乱含みだ。
「『アイツに任せて大丈夫?』とか『せいぜいPE部門(プライベート・エクイティ=未公開株投資)の運用を任せられるくらいだろう』と、現場の官僚や記者は彼の実力に懐疑的。出身のコラーはPEの流通市場専門で資産規模も1兆円程度のため、130兆円もの資金を動かすGPIFのトップとしては力不足と見られている。その上、大のマスコミ嫌いで就任以来いまだに公の場で発言をしていない。イギリス時代の自慢をする彼を揶揄(やゆ)して、影で『ロンドン』と呼ぶ記者も多い」(全国紙経済部デスク)
 水野氏は、岐阜県の多治見北高校出身。ソフトテニス部に所属していた。高校時代の同級生が語る。
「高校時代は、優しい性格でしたがモテるタイプではなかった。いつもメガネを磨いていて、僕の友人は『キミのも拭いてあげようか?』と声をかけられたことがありました。数年前に同窓会で会った時はイギリスの別荘の写真を見せたり『しょぼかった住友信託銀行をオレが切り開いた』と言ったり、とにかく上から目線。高級料亭のなだ万が大好きで足繁く通ったらしく、『オレの身体はなだ万でできている』とも言っていました」
 家庭の事情で浪人が許されず、「共通一次の結果で必ず合格できる国公立大」という判断で大阪市立大の法学部へ進学。住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)の海外支店勤務を経てコラー社へ転じた。華麗なる経歴だが、銀行内でエリート街道を歩んでいたわけではなかったようだ。同行幹部が語る。
「水野さんがCIOに内定した際、住信出身の役員が『あんな奴ウチにいた?』と行内を聞き回ったんですが、誰も覚えていなかったそうです」
 しかし水野氏が、外資系金融機関などでキャリアを積み、世耕氏の信頼を得たのは前述の通り。その水野氏は今後、130兆円を確実に運用できるのか。
「彼の役割は、株式等を増減するタイミングの判断と運用会社の選定です。年金の運用は巨額の手数料が発生する金融版の公共事業利権です。運用会社とのつきあい方は難しい。ただ、官邸が『アベノミクスのために株価を上げたいから』という理由で水野氏をCIOに指名したのなら問題です。任命の理由や決定プロセスについて政府は説明すべきでしょう。いずれにせよ、官僚に囲まれながら130兆円ものお金を動かした経験のある人などいません。水野氏には大いに頑張って欲しいですね」(経済評論家・山崎元氏)
 巨額の公的資金の運用には、高い能力と見識が求められるのは言うまでもない。水野氏の「実力」が問われる。
image
水野氏と世耕氏は、iPS細胞研の資金集めに水野氏が的確な助言をしたことがキッカケで意気投合
image
水野氏のツイッターに上がった写真。つぶやきには、メディア批判や過激な発言も多い
image
同じく水野氏のツイッターより。投資家を集めて、ロンドンの観光名所でパーティー
image
多治見北高時代の水野氏。「顔は当時と一緒だけど、服の仕立てが圧倒的によくなった」(同級生)という
PHOTO:時事通信社(水野氏、世耕氏)
LINEで送る