1986年のファミリーコンピューター なつかしのゲーム黄金期30タイトル 2/2
2016.04.04
LINEで送る

[singlemenu][ptitle]

発売さえすればなんでも売れた
 マンガやアニメ原作のゲームも多かったですよね。

 『ドラゴンボール 神龍の謎』なんかは125万本も売れたそうです。出せば売れるのファミコンバブルだった当時、話題性のあるマンガのゲームが発売されればそりゃヒットしますよ。

 内容はまぁ、アレでしたが(笑)。

 『トランスフォーマー コンボイの謎』も60万本以上売れてます。いまではクソゲーの代名詞みたいに言われていますけど、これは超難しいだけであって、クソゲーではないと思うんですけど、どう思いますか?

 なにも知らない人は、開始3秒で敵の弾に当たって死ぬ。弾が背景と同化しちゃってよく見えないんです。たしかに1面で100回は死ぬ初見殺しのゲームではありますが、クソゲーではないと思います。同様に『高橋名人の冒険島』も超難しいだけで、クソゲーではないと思いますし。まあ、ふつうの人なら1面は易しいのですが、7、8面では1万回以上は死にますけどね。まずクリアは不可能です。

 原作モノにも良(りょう)ゲーはあります。映画原作の『グーニーズ』は、ゲームが面白いのはもちろん、シンディ・ローパーの曲がカッコイイ。『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』もあのおどろおどろしい世界観が、よく反映できてました。『ドラえもん』は音楽がアニメ版と違うんですが、アレンジが絶妙でよかったですね。

 ケムコ(※9)ファンのボクは『時空(とき)の旅人』も、プレイしてもらいたいです。歴史上の人物にとにかく理不尽に殺されまくる(笑)。アドベンチャーゲームかと思っていたら、突然タイムマシンに乗るためのアクションゲームが始まるとかいろいろできて楽しいですよ。

 キャラゲーの迷作、『機動戦士Zガンダムホットスクランブル』は、ゲームなんてわからないおエラいさんが「ガンダムを壊すな」とか、「迷路シーンを足せ」とか口出しした結果、あんな作品になったとか。東映が出した『北斗の拳』も、同時期に出たセガ(※10)版のほうがデキがいい。ファミコンバブルで、ゲームのノウハウのない会社まで次々ゲームに参入した結果、多くの珍作ができた。発売さえできればそれだけで儲かったということでしょう。

 そろそろ真のクソゲーに触れていきましょうか。ボクが愛をこめて「ベストクソゲー」と呼んでいる作品がいくつもあります。

 まずは『たけしの挑戦状』でしょうか。宝の地図を読むために、なにもしないまま1時間待たなければいけなかったり、その地図をくれたオジイサンを問答無用で殺さなければいけなかったり、難しい以前に、ゼッタイにわかりようがない謎ばかり。

 発想はいかにもたけしさんっぽい。でもゲームってそういうことじゃないよね、っていう。

 ゲームオーバーでヤケにリアルな葬式の画面が出るところは好きです。『シャーロックホームズ伯爵令嬢誘拐事件』もクソゲーですね。

 てっきり推理ゲームかと思ったら、ホームズが敵を蹴るわ、銃で撃つわ、まさかのアクションゲーム。説明書に「Ⅱコントローラーは使用しません」って書いてあるのに、使わないとクリアできない、マジメに説明書読んだ人ほどクリアから遠ざかるムチャクチャなゲームでした。でも、真のクソゲーTOP3はほかにあります。3位が『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』、2位が『ミシシッピー殺人事件』、1位は『ゴーストバスターズ』ですね。

 ボクは3位がスーパーモンキー、2位がゴーストバスターズ、1位がミシシッピー。フジタさんと順番は違えど、挙げたゲームは一致しています。しかも3位は同じ(笑)。


ものすごく不親切で爽快感もない

 スーパーモンキーは、天竺(てんじく)を目指すだけのゲームなのに、マップが広すぎてどこに向かえばいいのかサッパリわからない。しかも移動が遅くて、スゴくストレス。とにかく退屈です。

 ゴーストバスターズが1位なのはなぜですか? スタートを押したときに鳴る「ゴォォォストバスタァァズ!」っていうレイ・パーカー・ジュニアふうの効果音には驚いたものですが。

 アノ瞬間がこのゲームのピークですね(笑)。なにをするのもドライブゲームで、店に入るときにもドライブ、出るのもドライブで、しかもそれがものすごく難しい。必要なアイテムが揃わないとラスボスのところに行けないのに、なにが必要なのかが、まったくわからないんです。ものすごく不親切で爽快感もナシ。なのでコッチを1位に。

 ボクは、それでもラスボス戦で一応ゲームっぽいことができるから2位に。それができないミシシッピーのほうを上位にしました。

 部屋の扉を開けた瞬間にナイフが飛んできたり、船の中になぜか落とし穴があったり。どちらも回避できなければ即死。謎解きゲームなのに、事件が起きる前に自分が死ぬ(笑)。起きたら起きたで、聞き込みをしていると、容疑者が「もういいました」と、大事なことを一度しか言わなかったり。メモしていないと、そこで終了です。あまりの理不尽さに、人生で初めてカセットを叩きつけましたよ。そういう意味では思い出深いゲーム。

 ま、ゲームって必ずしも解けなくてもいいと思うんです。わかりやすいからエラいってワケではない。小さいころに、じっくりクソゲーに向き合うことで学んだことも多かった。

 たしかに。誰も人生というゲームの答えは教えてくれませんから。ミシシッピーやトランスフォーマーに比べれば、生活の中にあるたいていの理不尽も耐えられますしね(笑)。


※1、’85年にエニックスから発売された名作推理ゲーム。真犯人があまりに有名で、作品タイトルをちょっとググっただけでもネタバレするので注意が必要。※2、ゲームデザイナーでドラクエの生みの親。「ゆう帝」というペンネームで週刊少年ジャンプのゲーム連載を執筆していた。※3、「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」など大ヒット多数のマンガ家。ドラクエシリーズのⅠ~Ⅹまで、すべてのキャラクターデザインを担当。※4、ドラクエ1でラスボスの城がある島へ行くために必要なアイテム。※5、大阪に本社のあるゲームメーカー。格闘ゲームのイメージが強いが、「ロックマン」「モンスターハンター」「バイオハザード」「逆転裁判」など、オールジャンルでヒット作を飛ばし続けるゲーム業界のトップランナー。※6、対戦格闘ゲーム「ストリートファイターⅡ」のこと。’91年にカプコンからアーケード版がリリースされるや、ゲームセンターの対戦台に長蛇の列ができた。※7、「タッグチームプロレスリング」のテスト版を600本限定で配布したもの。現在、市場価格は10万円近くになる。※8、’85年に任天堂から発売されたシリーズ累計販売数₅億本超えの名作アクションゲーム。主人公のマリオは’81年の『ドンキーコングJR.』では悪役だった。※9、コトブキシステムという会社の家庭用ゲーム部門の名称。ナムコとはなんの関係もない。カセットの色が青い。※10、「バーチャファイター」や「ソニック」シリーズを生んだゲーム会社。’04年にパチスロメーカーのサミーと経営統合した。
ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境
バンダイ ’86年4月17日発売
image
原作ファンとゲーマーの両者から評価された、非常にクオリティの高いアクション

北斗の拳
東映動画 ’86年8月10日発売
image
敵を倒すと出る「あべし」を取るとケンシロウが強くなり、7つ集めると服が破れる

ハイドライド・スペシャル
東芝EMI ’86年3月18日発売
image
PC版でウリだった画像がコチラはカクカクに。まったくスペシャルじゃないデキだった

ホッターマンの地底探険
ユース ’86年12月6日発売
image
アイテムの数が多く、かつ使い方を間違えると詰んでしまうのでメモが必須のゲーム

ドラえもん
ハドソン ’86年12月12日発売
image
『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』と区別するため、カセットの色から「白ドラ」と呼ばれる

シャーロックホームズ伯爵令嬢誘拐事件
トーワチキ ’86年12月11日発売
image
このタイトルとこのビジュアルなのに、中身はゴリゴリのアクション。意外すぎる

怒IKARI
SNK ’86年11月26日発売
image
タイトルをパッと見るとついつい「どいかり」と読んでしまうが、「いかり」が正しい

マイティボンジャック
テクモ ’86年4月24日発売
image
ピラミッドを冒険するアクション。コインを取り過ぎると拷問部屋に連れて行かれる

時空の旅人
ケムコ ’86年12月26日発売
image
主人公のクタジマトシトが核戦争の起きる未来を回避するためタイムスリップする

元祖西遊記スーパーモンキー大冒険
バップ ’86年11月21日発売
image
西遊記が原作なのに物語性は皆無。中国どころかユーラシア大陸全土をひたすら歩く

闘いの挽歌
カプコン ’86年12月24日発売
image
『ストリートファイター』、『ファイナルファイト』の源流ともいえるアクション

ドラゴンボール 神龍の謎
バンダイ ’86年11月27日発売
image
ランダムで出現するアイテムの「ご飯」が食べられないと死ぬ“運ゲー”

スパイVSスパイ
ケムコ ’86年4月26日発売
image
2人のスパイが機密を巡り戦う。アイテムとワナをめぐる駆け引きがシンプルながら深い

グーニーズ
コナミ ’86年2月21日発売
image
映画原作ながら、非常に完成度の高いアクション。1面の小気味よい音楽は必聴である

たけしの挑戦状
タイトー ’86年12月10日発売
image
「ビートたけしが作った」ということで注目されたが、できたのは理解不能な内容と何度死んでも覚えられない理不尽ゲーだった。余談だが「たけし軍団フライデー襲撃事件」はこのゲームの発売日前日に起きている
image
フジタ(右)/’77年、東京都生まれの芸人。ファミコンをプレイしながらゲームにツッコミを入れるネタを得意とする。所蔵するゲームの数は2万本超。’86年当時は「親が自宅にいなかったので、そのかわりゲームを好きなだけ買ってもらえた」らしい

さやわか/’74年、北海道生まれのライター。小説、漫画、映画、ゲームなどの幅広い分野の評論を行っている。著書は『僕たちのゲーム史』など。’86年当時は、「ファミコンは買ってもらえなかったけど、ゲーム雑誌だけは読みまくっていた」
取材・文/来栖美憂 写真/會田 園 画像は『You Tube』より引用
関連記事

1986年のファミリーコンピューター なつかしのゲーム黄金期30タイトル 1/2
1986年のファミリーコンピューター なつかしのゲーム黄金期30タイトル 2/2
LINEで送る