祝初勝利!人気女性騎手・藤田菜七子が明かした「一人で泣いた夜」
2016.04.12
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デビュー51戦目で、中央競馬初勝利を果たした

 デビュー前から人気を博していた女性騎手・藤田菜七子が、4月10日福島競馬第9レースで中央競馬初勝利をおさめた。16頭中2番人気に押されたサニーデイズに騎乗した藤田は、序盤から2番手をキープすると、第4コーナーで一気に先頭に立ち、そのまま逃げ切り。中央競馬で女性騎手が優勝するのは12年ぶりという快挙だった。

 本誌では、デビュー前の2月に藤田騎手にインタビューをした。その様子を振り返ると同時に未公開写真も掲載する。

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97年8月茨城県守谷市生まれの18歳

「エッ!? は、恥ずかしいです~」
 本誌カメラマンが「こっちを向いて笑って」と言うと、新人騎手の藤田菜七子(ななこ)(18)はポッと顔を赤らめた。2月15日に新規騎手免許を取得した、日本中央競馬会(JRA)で16年ぶり7人目の女性騎手は、まったく初々しいのだ。合格発表に集まった報道陣は60人以上。 「まだまだカメラを向けられるのには慣れないんです」 と、藤田は照れる。

「馬に興味を持ったのは、小学校6年のとき。家のテレビでたまたま競馬中継を見て魅了されたんです。父親にせがんで、東京競馬場(府中市)へ馬を見に行ったら毛並みがキレイで……。『絶対に騎手になる』と心に決めました」

 だが中学校を卒業して入学した競馬学校は、全寮制で男性中心の社会。女性の藤田にとっては、厳しいことが多かった。

「女性でも、男性と同じメニューをこなさなければなりません。とくに筋力トレーニングはツラかったです。20㎏のバーベルを担(かつ)いでのスクワットや、腰を落として横に進むカニ歩き……。決められた時間内で馬を一定距離走らせる課題では、他の男子生徒ができたのに私だけがクリアできなくて、悔しくて寮の部屋で一人泣いてしまいました」

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美浦トレーニングセンター根本康広厩舎(きゅうしゃ)所属

 起床は毎朝5時。休日の月曜日以外は、毎日乗馬し、JRA美浦(みほ)トレーニングセンター(茨城県稲敷郡)で自炊の日々だ。目標は、1000勝以上あげているニュージーランドの女性騎手、リサ・オールプレスだと語る。

「昨年夏に来日したオールプレスさんと話す機会があり、貴重な助言をいただきました。『体重の軽い女性が馬上で体勢を保つためには、脚の筋力をつけることが大切よ』と。彼女の言葉でツラい筋トレも乗り越えられたんです」

 藤田は他の男性5人とともに、騎手免許試験に合格。夢は女性騎手初の日本ダービー制覇だ。

「日本の競馬といえばダービーです。追い込みで勝てるような騎手になりたい」

 師匠の根本康広調教師が語る。
「負けずギライなところがいい。経験を積んで馬の気持ちを理解できるようにしてもらいたい」

「毎日いっぱいいっぱいで、バレンタインデーに根本先生へチョコレートを渡すのも忘れちゃった」 と笑う藤田。デビュー戦は3月3日、ひな祭りに川崎で行われるマーチスター賞だ。

 このインタビューから、わずか1ヶ月後、3月24日に浦和競馬で初勝利を果たした。次は重賞レース、そして日本人女性騎手初のG1制覇へと挑んでもらいたい。

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初の重賞レースでも2着に入る快挙

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好きな作家は東野圭吾。空手初段、剣道二段の腕前。157㎝46㎏。血液型A型

PHOTO 小松寛之
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