次は四国!伊方原発は巨大断層のズレで倒壊する!
2016.04.22
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誰もが不安
激しい余震が続くのに九州電力は川内原発を停止せず
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九州と四国の間にある伊予灘に接する伊方原発。’77年9月に運転を開始した。熊本地震では、近くの八幡浜(やわたはま)市で震度5弱を観測している
 マグニチュード7.3の熊本地震は、広範囲で激しい余震をひき起こしている。震源から約120㎞離れた、川内(せんだい)原発のある鹿児島県薩摩川内市の住民が話す。
「4月15日夜と17日未明には、大きな横揺れを感じました。船の上にいるような感じで体がユラユラ揺れて……。今後も原発が大丈夫なのか不安です」
 熊本地震本震の震源地では、揺れの大きさが1500ガルを超えた。川内原発の基準地震動(原子炉建屋が耐えうるとする最大の揺れ)は、その半分以下の620ガル。自動停止する基準の最大値は、9分の1の160ガルだ。4月19日には震度5強の余震が、原発から北へわずか80㎞の熊本県八代市でも起きている。それでも川内原発は原子炉を止めていない。ジャーナリストの広瀬隆氏が語る。
「1500ガルという熊本なみの揺れが川内原発を襲えば、間違いなく倒壊します。福島第一原発の事故では、実際その3分の1の550ガルの揺れで2号機の配管が壊れているのです」
 だが九州電力に危機感はない。
「基礎岩盤上に設置した地震感知器が自動停止基準の最大値に達していないため、原子炉は止めていません。設備の点検を行い安全は確保されています」(広報部)
陸路で逃げれば大量被曝
 危機に瀕しているのは川内原発だけではない。今回の地震は、関東から九州までを横断する日本最大の巨大断層系、約1000㎞におよぶ中央構造線の南端で起きている。ある場所で地震が起きれば、隣の断層で新たな地震が誘発される。余震が起きた別府―島原断層の東隣で、地震が触発される危険性が高まっているのだ。地震学が専門で、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が警鐘を鳴らす。
「次は四国が危ない。愛媛で大きな地震が起きる可能性があるんです。愛媛には伊方(いかた)原発があります」
 伊方原発は停止中とはいえ、燃料プールに1400本を超える使用済み核燃料が保管されている。冷却水が抜けただけで、メルトダウンするリスクをはらんでいるのだ。そうなれば、大気中に大量の放射性物質が拡散することになる。地震地質学を専門とする、高知大学防災推進センター特任教授の岡村真氏が指摘する。
「中央構造線の断層では、地震が誘発され8mほどの縦ズレが起きてもおかしくない。’08年の岩手・宮城内陸地震では、観測史上最大の4022ガルの揺れを記録しました。最悪の場合を想定すれば、原発は2000ガルには耐えられるように設計しないといけないのです」
 しかも伊方原発は佐田岬半島の付け根にあるため、事故が起きれば半島の住民約5000人は逃げ場を失う。四国電力によれば先端にある三崎港からフェリーで九州に避難する計画だが、地震で津波が来れば港は使えなくなるのだ。近隣住民が不安をつのらせる。
「船で避難できなければ陸路を使うしかありません。三方を海に囲まれた半島では原発に向かう道路しかないので、大量被曝(ひばく)する危険性があるんです。しかも避難経路に指定されている道は、ほとんどが山沿いで土砂崩れが起きれば通行止めになる。佐田岬半島の住民は孤立します」
 だが九州電力同様、4月19日に原子力規制委員会によるすべての安全審査を終えた四国電力に危機感は薄い。
「自主的な安全対策を実施しています。3号機は夏前の再稼働を目指していますが、地震で配管や設備が倒れないよう補強金具の取り換えを終えました。1号機は廃止が決まり、残る2号機は3号機の再稼働を終えてから、審査に申請するかどうか検討していきます」(広報部)
 住民たちの不安をよそに、伊方原発は早ければ7月にも稼働し始める。
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東シナ海から望む川内原発。現在、日本で唯一原子炉が稼働している原発だ
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川内原発から数㎞の場所にある、約1000年前に起きた桜島からの火砕流の痕
撮影・取材/桐島 瞬(ジャーナリスト)
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