男がいないところで何を話し何をしているのか?「オンナの生態学」 第94回 なぜ女性ばかりが『嫌われる勇気』にハマるのか
2016.04.22
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『嫌われる勇気』に大ハマり中の小林麻耶。80回以上読みこみ、本にはビッシリ付箋が貼ってあるという
『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)という本をご存知だろうか?「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」「他者の期待を満たすために生きてはいけない」というアドラー心理学を解説した一冊で、’13年の発売以降、クチコミで評判となり、今年2月、ついに100万部を突破した。この本に反応したのが女性たち。ある日の著者講演会では、およそ60人の参加者のうち、なんと男性は1人だけだったという。同書のなにがそんなにオンナに刺さるのか? 急増中の“アドラー女子”から話を聞いた。

イチコ(42・独身、ヨガ講師、木下優樹菜似)『嫌われる勇気』を読んだキッカケは、友だちからすすめられて。最初は「ネガティブなタイトルだな」と思ったんだけど、読んでみたらぜんぜん違っていた。とくに、できない自分も受け入れる「自己受容」という言葉は心に響いたわ。私は私のままでいいんだって思えたというか……。

ショウコ(35・既婚、旅行代理店経営、志田未来似) 私は仕事で成功しても、家庭を持っても、いつもどこか心に閉塞感があって、真の自由を求め海外留学までしたことも。でもこの本を読んで、その正体は人間関係にあったんだ! と気づけたの。南米に2年住んでも解消できなかった悩みの答えが、こんなところに。

リエ(29・独身、広告代理店、とよた真帆似) 私は職場の人間関係で悩みを抱えていたときに本屋でタイトルを目にして、「私が悩んでいるのは周囲に嫌われることを恐れてるから!?」とハッとなったんですよ。読んでみたら、「いま、あなたが不幸なのは自ら不幸でいることを選んだから」とか「競争意識がある限り人間関係の悩みからは逃れられない」というフレーズが心にスイスイ入ってきました。

ショウコ 他者を仲間とみなすことで自分の居場所があると感じられるという「共同体感覚」って言葉も新鮮だよね。以前は部下がミスしたらすぐ腹を立てて叱っていたけど、「私の教え方に問題があった?」と広い視野で考えられるようになった。部下が成功したときも、本に書いてあるみたいに、ホメるのではなく感謝するよう心がけている。

イチコ これまでは成果主義で、アドラーの言う「尊重」を忘れていた。『嫌われる勇気』はそれに気づかせてくれたよね。

男性こそ読むべき

ショウコ 芸能人では小林麻耶(36)がこの本で人生観が変わったと公言している。“嫌いな女子アナ”ランキングでいつも上位だった彼女は、他人の評価を気にせず、自己受容して生きるというアドラーの考えに救われたんだって。それで彼女、吹っ切れてブリッ子キャラを全開にしたら再ブレイクしたんだとか。

リエ 著者の講演会にも何度か行ってるんだけど、参加者は小林アナみたいに頭脳も仕事も一定レベル以上のスペックを持っているのに、どこか「幸せ!」と言い切れない女性が多い印象。まわりでこの本にハマっているのも女性ばかり。

イチコ そもそも自己啓発本って、自分の弱さを認識している人じゃないと手に取らない。男性はプライドが高い生き物だから、引っかかりにくいのかもね。

リエ 私は男性が多い職場で働いてますけど、過酷な状況に追い込まれたときは女性よりも男性のほうが人目を気にして強がってヘルプを求めないことが多いんですよ。むしろ男性こそこの本を読むべきじゃないかな。

ショウコ 自己啓発本って強者からの一方的な教えという感じで苦手だったんだけど、この本は違う。悩める青年と導く哲学者の対話形式で進んでいくから、まるで小説みたいで、一般的な啓発本より心に届くんだよね。

リエ 本には日常でも使えそうなメソッドがいろいろ書かれているから、今後壁にぶつかったときはアドラー理論で考えて振る舞えば解消できそう。重要なのは、他人に嫌われるのを恐れず、自分が本当にやりたい道を選ぶこと、ですよね。

イチコ そういや先日の講演会では「この本のおかげで長年イヤイヤ暮らしていた夫との離婚を決意できた」なんて手紙が読者から来たと著者が言ってたよ(笑)。

リエ それもきっとアドラー的には正しい選択なんですよ!

PHOTO:川崎侑弥
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