スズキのドン鈴木修会長 休日返上で火消し奔走中!
2016.05.30
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ご自慢の軽自動車
MRワゴンで出動!
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この前日の本誌直撃に対して「コメントなし」と言い捨て本社へ向かった修会長。イラだちを隠せない様子だ
 5月21日、本来なら休日の土曜朝7時。ひと気もまばらな静岡・浜松市内の高級住宅地から、スズキのMRワゴンが発車した。乗っているのは、スズキの鈴木修会長(86、写真右)だ。自宅の玄関から助手席にすべり込んだ会長の表情は、どこか張りつめている。
 鈴木会長を乗せた軽自動車はそのまま市内のスズキ本社へ直行。86歳の"ドン"が、休日に早朝出社してまで対処しなければいけない事態とは――5月18日に発覚した、同社の燃費不正問題だ。
「問題になっているのは、スズキが行っていた燃費データの測定方法です。国交省は、新車のカタログに掲載する燃費を算出するため、自動車メーカーに屋外での走行試験を課している。ところが、スズキはそれを無視して屋内でタイヤやボディーなど部品ごとにデータを取っていたのです。対象となっていたのは『アルト』や『ハスラー』、『ソリオ』などを含む16車種で、210万台にも及びます」(経済誌記者)
 ’15年度の決算では過去最高益を叩き出したスズキだが、今回の不祥事でイメージダウンは避けられない。鈴木会長は自ら事態収拾の陣頭指揮にあたり、「まずは事実確認をする」と会見で話している。
 あるスズキOBは、
「ウチのテストコースは海岸沿いにあるので浜風の影響を受けやすく、安定した燃費データを取りにくい。だからこそなるべくカタログ燃費と実際の燃費がズレないようにしていたんです。ルールを守らなかったことは問題ですが……」
 と、悔しさをにじませる。
 18日の会見では、鈴木会長も非を認めながらも、
「悪意で燃費を良くしようとするのは問題だが、善意でやったということであれば、人情的に考えなくちゃいかん」
 と、発言している。25年以上の長期にわたって、組織ぐるみで燃費データを改ざんしてきた三菱自動車とは違うと主張したいようだ。
「強気で知られる鈴木さんは担当役員の更迭はおろか、自分が会長を退こうなんてまったく思っていないでしょう。それどころか、『スズキはなにがあってもオレが守る』と、闘志を燃やしているんじゃないでしょうか」(前出・OB)
 これまでも超巨大企業、ゼネラル・モーターズと提携しながら突然手を切ったり、ドイツの名門・フォルクスワーゲンとの資本提携を解消するなど、世界の自動車業界でも類を見ない「一匹狼」を貫いてきたスズキ。そうした経営判断を主導してきたのが、鈴木会長だった。86歳になったカリスマ経営者は、今回のピンチを乗り切ることができるのか。
PHOTO:結束武郎
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