「東京五輪裏ガネ疑惑」竹田恆和JOC会長の「憂鬱な日曜日」
2016.06.06
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国会でスポーツビジネス界の大物、元電通専務の名前も飛び出し大騒動に
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竹田会長はユニクロの店内を20分ほどウロウロしながら、ハーフパンツやシャツを吟味
 東京五輪招致に、裏ガネ疑惑が持ちあがった――。
 ’13年9月、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長が’20年の五輪開催地を「トキョ!」と発表し、日本中が歓喜に包まれた。
 だが、その直前の同年7月と直後の10月に、日本の五輪招致委員会からあわせて約2億3000万円ものカネがシンガポールのコンサルタント会社に振り込まれていたことが、フランスの検察当局の捜査によって発覚。票の取りまとめの「前払い」と「成功報酬」だったのではないか、という疑惑が浮上しているのだ。
 このコンサル会社の経営者は、国際陸上競技連盟のラミン・ディアク前会長(82)の息子と親しいイアン・タン氏。ディアク氏はセネガル出身で、アフリカ各国のIOC委員に多大な影響力を持つ。息子のパパマッサタ氏も国際陸連でマーケティングコンサルタントを務めていた。
 同社の登記上の所在地はシンガポール郊外にある古い公営住宅の一室で、ペーパーカンパニーと見られる。巨額のコンサル料を支払う相手としては不可解だ。しかも同社は’14年に解散している。
渦中の理事が疑惑に答えた
 2億3000万円はどこに消えたのか。
 国会でこの疑惑を追及している松沢成文参議院議員(無所属)が語る。
「フランスの当局は、シンガポールの会社はディアク氏側にワイロを送るためのトンネル会社と見ています。日本側のキーマンは二人います。招致委員会の理事長だった日本オリンピック委員会の竹田恆和(つねかず)会長(68)と元電通専務で東京五輪組織委員会理事の高橋治之(はるゆき)氏(72)です。高橋氏はスポーツマーケティングにおける日本の第一人者で、ディアク氏とも親しい。竹田会長とは慶應大学の先輩後輩で竹馬の友です。アフリカ票の取りまとめの絵を描ける人物は高橋氏しかいないのではないでしょうか」
 高橋氏は30年以上にわたってサッカーW杯や五輪、世界陸上などの様々なスポーツのビッグイベントを担当した広告マン。またバブル期にリゾート王と呼ばれた「イ・アイ・イ‐インターナショナル」元社長で元東京協和信組理事長の故・高橋治則氏の実兄としても知られる。
 高橋氏は本誌の取材にこう言う。
「ディアク前会長とは長い付き合いで、その息子さんとも会ったことはあるが、タン氏については聞いたこともない。私が関与したというのは憶測もいいところ。竹田会長とこの件で事前に話したこともないです。(6月で任期切れとなるが)組織委員会の理事も続けますよ。そもそも招致委員会は民間のスポンサーからおカネを集めて活動していたんです。ワイロだとマスコミから批判されること自体がおかしいですよ」
 一方、億単位の裏ガネ疑惑に揺れる竹田氏は5月29日の日曜、ユニクロで3点まとめ買いすると980円のTシャツを物色していた(写真)。店から出てきた竹田氏はこう語った。
「ワイロという認識はありません。国会で話したことがすべてです」
 24日の参議院文教科学委員会で竹田氏は「(支払いは)コンサルタント契約の対価、ディアク氏に渡ることは想定していない」と答弁している。
 だが、もしこれがワイロと認定されれば、IOCが定めるオリンピック憲章に違反し、規約上は開催取り消しもありうる。
 5月26日、来日したIOCのジョン・コーツ副会長は会見でこう述べた。
「疑惑は深刻。不正は絶対に許されない」
 すべてを知るパパマッサタ氏は現在セネガルに滞在し、国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配している。またフランスの検察当局は関係者への捜査を開始した。東京五輪に暗雲が垂れ込めてきた。
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疑惑の中心人物、パパマッサタ・ディアク氏。高級腕時計の爆買いも報じられた
PHOTO:西 圭介(1枚目) AFP=時事(2枚目)
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