タカタのエアバッグで顔に重傷!17歳女子高生の怒り
2016.06.14
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リコール対象は1億2000万台に
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コートニーさんが乗っていた’01年製のホンダ・アコード。軽い衝突にもかかわらず、エアバッグは突如、破裂したという
 タカタ製エアバッグで、悲惨な事故が相次いでいる。
 エアバッグの異常破裂で重傷を負ったテキサス州の女子高生、コートニー・ギデンスさんと母親のシェリルさんは今年3月、タカタとホンダを相手取り100万㌦以上の賠償を求める訴訟を起こした。この訴訟を受けて、コートニーさんの写真が5月に公開され、全米に大きな反響を巻き起こしている。弁護士のマーク・サダース氏は言う。
「エアバッグの問題が起きる前、アメリカではホンダの車は安全で信頼できると評判でした。少し古い型でも燃費が良く、経済的で安全な自動車だと多くの人が信じていた。娘が事故に巻き込まれたギデンスさん親子もそうでした。しかし、事故が起きて信頼は失墜しました」
 テキサス州北部、タラント郡アーリントンに住むコートニーさんが事故にあったのは’14年、17歳のときだった。乗っていた’01年製のホンダ・アコードは前年のクリスマスにプレゼントされたもの。’14年5月、ホンダからリコールの知らせが来たため、すぐにホンダのディーラーに連絡し、車を引き渡した。翌日、ディーラーから、
「取り替えの部品が届いたので取りに来てください」
 と連絡が来たが、部品が誤って別の店舗に届いていたことが発覚。未修理の車を渡され、後日また取り替えることにした。
「本来、ディーラーはこの時点で代車を渡すべきだったのに、『シートベルトをしている限り安全ですよ』と言って、そのままにしてしまったのです」(サダース弁護士)
 しかし、折悪しくその夜、衝突事故が起きてしまう。運転席にいたコートニーさんのエアバッグが破裂。インフレーターというエアバッグを膨らませる鉄の塊が襲いかかり、顔と胸に重傷を負った。
「タカタのエアバッグ異常が報告されたのは’08年ごろからです。コートニーの車は何年も前にリコールされて修理されるべきでした。彼女が同じ状態に戻ることはありません。ハンドルに手榴弾をつけたような車を運転せざるをえない状況は許されるべきではありません」(同前)
 タカタのエアバッグを使用した車では、これまでに11件の死亡事故が発生。負傷者は100人を超え、アメリカでは訴訟が相次いでいる。日本でも、負傷した60代女性が静岡県警に刑事告訴し、5月30日付で受理された。
 米当局は5月4日、タカタに対し、最大4000万台の追加リコールを要請。すでに全世界で6000万台がリコール対象になっており、日本でもリコールに踏み切れば1億2000万台を超える見通しだ。
「タカタのエアバッグは世界中で使われていますから、インフレーターすべてにリコールが及んだ場合、その補修額は3兆円を超えるという話もあります。日本の自動車メーカーの担当者も『まだどれだけ伸びるか分からない』と頭を抱えているのが実情です。いまメーカーとタカタで何割ずつ負担するのか協議を続けていますが、根本的な不具合の原因究明やリコール台数の試算が不透明なため協議がなかなか進んでいかないのです」(自動車業界に詳しい、経済ジャーナリストの片山修氏)
 事故について、コートニーさんの家族は「いまは何も話したくないと言っている」(サダース弁護士)という。
「この訴訟はまだ始まったばかりです、責任のなすりつけあいはやめてほしい。新しい事実が発掘されることを期待しています」(同前)
 訴訟について、タカタの広報部は「心よりお詫び申し上げるとともに、最大限の誠意をもって対応させていただく所存です」と回答した。コートニーさんの顔には、現在も痛々しい傷跡が残り、治療や整形の手術が必要な状態だという。家族の怒りはいかばかりか。
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米テレビの取材に「事故の直後は血まみれで何が起きたかわからなかった」(コートニーさん)と振り返る
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顔や鼻、胸にまで傷が残り、今後も手術が必要だという
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裁判の訴状。100万㌦以上の賠償を求めている
PHOTO:ギデンス一家提供
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