中国・北京発 鼻血が止まらない!猛毒物質 ホルムアルデヒドの建材できた小学校の地獄
2016.06.21
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壁や天井、床からしみ出して、
子どもたちの体をむしばんでいた
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北京市内の学校前で「猛毒物質を使うのをやめろ!」と抗議活動を続ける保護者たち
「なぜ校内に腐った牛乳のような悪臭が満ちているんだ!」
「敷地内を徹底的に消毒しろ!」
 中国北京市の第二実験小学校白雲路(バイユンルー)分校前では、連日のように保護者が学校を糾弾する声が聞かれる。問題視されているのは児童の不気味な変調だ。
「10歳になる私の息子は、今年に入りほぼ毎朝、鼻血を出すようになった。目は真っ赤に充血し、嘔吐することもある。医者からもらった薬はまったく効き目がない。ほとんどの生徒に同じような症状が出ているそうだ」(父兄の一人)
 同校の保護者たちが調査したところ、85%の生徒が鼻血やめまいなどで悩んでいた。とくに症状のひどい生徒に病院で血液検査を受けさせると、白血球が異常に減少し、急性白血病の症状に近いことがわかった。また、こうした児童の体調不良が、複数の北京市内の学校で報告され、さらには全国的な広がりを見せている。吉林省大安市の新艾里郷(シンアイリーシャン)中学では、頻繁に鼻血を出す生徒15人の肺に影があることが判明。福建省福州市の2つの小学校では、83人の児童の顔面や背中に紫色の発疹(ほっしん)が出ているのだ。
 前出の第二実験小学校白雲路分校は、北京市に捜査を依頼。同市環境保護局が6月13日に公表した検査結果報告書には、怖ろしい内容がしるされていた。
「16の教室のうち、音楽室から基準値を超えるホルムアルデヒドを検出した」
 北京在住の日本人記者が語る。
「ホルムアルデヒドとは、塗料や接着剤などに用いられる有機化合物です。分子構造的に加工しやすく安価なため広く使われていましたが、毒性が強く、’04年には世界保健機関で発ガン性があると認定されました。日本では、ほとんど使われない猛毒物質です。だが問題となっている各学校では音楽室どころか、すべての教室やグラウンドでもホルムアルデヒドを含む建材、部品を使用していると言われます。この物質は、建設から数年も経(た)てば外部にしみ出てくるのが特徴。壁や天井、床から放出された毒素が、子どもの体をむしばんでいるのでしょう」
 猛毒物質が教育現場で使われている背景には、当局と建設業界の癒着があるという。ジャーナリストの周来友氏が話す。
「中国の学校の多くは校舎が老朽化し、次々に建てなおされています。工事を請け負う建設業者は入札で決まる。業者がより安い予算を提示するためには、経費を削らざるをえません。そこで毒性があるとわかっていながら、安価なホルムアルデヒドを使用する。工事をチェックする北京市など当局も、業者からワイロをもらっているため黙認しているんです」
 かの国の故事「三遷(さんせん)の教え」で、孟母は子どもに良い環境を与えるため、最終的に学校の近くに住むことを決める。学校と死が隣り合わせとは笑えない話だ。
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この半年ほど毎朝鼻血を出すという、北京市内の小学校の女子生徒
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江蘇省の小学校でも鼻血を出す児童が。中国では「毒学校事件」と呼ばれ、大きな社会問題になりつつある
PHOTO:ImagineChina/アフロ
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