「生前退位」明かした天皇「新時代の皇室」への決意
2016.08.01
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報道後、初めて国民の前に晴れやかな笑顔で現れた
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日経新聞の世論調査によると生前退位を「認めるべき」という意見が77%に上り、国民の多くが天皇の決断を支持していることがわかった
 天皇・皇后は7月25日から28日まで静養のため栃木県那須町にある御用邸に滞在した。
 那須塩原駅前には25日午後1時ごろ、250人を超える人が出迎えに集まった。7月13日に生前退位のご意向が明らかになってから、一般の国民が集まる場所へのお出ましは初めてのことだ。
 お二人は群衆のいる道端に歩み寄り、にこやかに手を振って応えた。その中の一人が「陛下、お身体のほうは大丈夫ですか?」と声をかけると、
「ありがとう」
 と天皇は答えたという。その表情は晴れやかだった。
 天皇が生前退位の意向を明らかにした背景には、健康問題に加え皇室典範の不備があると言われている。
「予定表」は常に真っ黒
「’11年11月にはマイコプラズマ肺炎で入院され、翌年の2月には心臓の冠動脈バイパス手術を受けられた。昨年は行事で手順を間違えるというハプニングもあった。昨年12月の会見では『私はこの誕生日で82になり、年齢というものを感じることも多くなりました』と率直に話しておられます」(全国紙皇室担当記者)
 天皇の地位にある以上、公職を全うしたいが、体調によってはそれが不可能になる場合もある。現在の皇室典範には生前退位の規定がなく、執務遂行が難しい場合は摂政を置くことを想定しているが、天皇はそれに問題提起した形だ。
「現在の皇室典範では皇太子さまが即位されたときに秋篠宮さまの立場がはっきりしません。一部の人から皇太弟にするという声もありますが、皇室典範には何も触れられていない。また将来の天皇である悠仁さまを支えられる眞子さま、佳子さまもご結婚されたら民間人になられ、ただでさえ少ない皇族が減ってしまいます。早くしないとお二人は嫁がれてしまうので、女性宮家創設という問題も考えなくてはいけません」(皇室ジャーナリストの神田秀一氏)
 天皇の公務が激務であることは明らかだ。82歳のいまも毎週2回、内閣から書類が届くが、その総数は昨年1000件に上った。さらに新年行事、春秋の園遊会でのお声がけや接見、拝謁などは年間100回を超える。
 御所内には各省庁の担当者が天皇・皇后の出席を希望する行事を書き込むホワイトボードがあるが、常に数ヵ月先まで真っ黒になっているという。
 ここ数年、天皇と皇太子、秋篠宮は毎月1回、会合を開き、象徴天皇のあり方について話されることもあったという。
「新時代の皇室」のあり方をどうすべきか――天皇の問題意識を、皇太子、秋篠宮も共有しつつある。
 今回の「退位」報道は、平成の皇室改革の第一歩となりそうだ。
PHOTO:結束武郎
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