東京サマーランド「尻切り魔」出現でも営業続行の怪
2016.08.26
LINEで送る

[singlemenu][ptitle]
18歳から24歳の若い女性9人が被害に
image
左に見えるのが「コバルトビーチ」。以前から痴漢の被害が多く、警察から入場制限を要請されていた
「あれ? 血が出てる」
 女性はその時、自分の身に何が起きたのか理解していなかった――。
 8月21日午後、東京都あきる野市のレジャー施設「東京サマーランド」で18〜24歳の女性9人が水着姿のお尻や背中を切られる事件が発生した。
 現場は1時間に1回、高さ70㎝の人工の波が出現するプール「コバルトビーチ」。当日は日曜で、家族連れなど1万4000人もの客が訪れていた。
 まず午後1時ごろに2人の女性が被害にあった。
「タオルを巻いた左側のお尻あたりから血を滲ませている女性を見ました。監視員のところに行って、最初は『爪とかが当たって(ケガした)』と笑っていたけど、水着を切られていることに気づいて、『絶対、(爪とは)違いますよね。おかしい』と涙ぐんでいました。(当日は)すごい混んでいて満員電車のようで、何かあってもすぐには気が付かないと思う」(被害者を目撃した10代女性)
 報告を受けた警備員は110番通報。しかし、2時の回の人工波も中止されず、その間にさらに6人の女性から被害の訴えがあった。
 8人の多くはビキニ姿で、水着を切ろうとしたのか、尻や下腹部を切られていた。傷はいずれも浅いが、長さは10㎝程度で、カミソリのようなものを使ったと見られている。閉館後に23歳の女性が背中を切られていたことがわかり、発覚した被害者は9人となった。
 プールを出る利用客の手荷物検査を開始したのは、2件目の発生から30分後だった。
「カバンを開けさせられ、小さなポケットのなかも確認されました。女性や子ども、家族連れは荷物検査を免除されていました」(10代男性客)
 3時の回の波は中止されたが、「波のプールは本日、終わりです」とアナウンスされただけで、理由は伝えられなかった。そのため、利用客の多くはニュースを見た友人や家族からの連絡で事件を知ったという。
 東京サマーランドは夕方になってようやく記者会見を開き、営業中止にしなかったのは「不安をあおって大混乱が起きると二次被害につながりかねない」ためと説明した。
 東京サマーランドの対応に問題はなかったのか。
「危機管理として失格です。事件が発覚した時点で営業中止にすべきでした。中止にしなかったから、2回目の犯行まで引き起こしている。最近は危機管理として、爆破予告など『予告』があっただけでも施設を閉めるのが通例。二次被害、三次被害を想定しなければいけません」(日本防犯学校学長の梅本正行氏)
「そもそも事件対応のマニュアルがないように見えること自体が問題です」(危機管理アドバイザーの平塚俊樹氏)
 犯人は24日現在も捕まっていない。捜査関係者によると「監視カメラを精査しているところ」だという。
image
2回目の事件発生後にやっと出口で荷物検査が行われた
image
同社の井上博志社長らは記者会見で「深く反省 している」と謝罪した
PHOTO:来場客提供(コバルトビーチ) 蓮尾真司(荷物検査、会見)
LINEで送る