全勝V 豪栄道より注目 服部桜の「笑撃!自爆相撲」
2016.10.01
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キミは見たか!
国技館を沸かせた
通算1勝40敗の
珍力士を
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9月場所13日目、琴誠剛(ことせいごう)に立ち合い後1秒で押し倒される服部桜。唯一の白星は、今年5月場所で15歳の澤ノ富士からあげたモノ
 9月場所の3日目。土俵に上がった細身の力士は、明らかに様子がおかしかった。キョロキョロと視線が泳ぎ、しきりに肩や脚をさすっている。
「見合って!」
 行司が声をかけた直後のこと。痩せた力士は、相手の巨漢力士にぶつかる直前に自ら両手を土俵にペタッ。行司が仕切り直しを促すと、今度は立ち合い直後に前方へダイブ! さらに3度目の立ち合い後には、後方にお尻をドスン。4度目にようやく組み合ったが、されるがままにあっさり引き落とされた。
 力士の四股名(しこな)は服部桜(はっとりざくら)(18)。神奈川県茅ヶ崎市出身で、昨年9月にデビューしたばかりの序ノ口29枚目の力士だ。これまでの成績は1勝40敗……。身長180㎝体重67㎏という角界最軽量の身体では、仕方ない結果だろうか。
「小学生の時から相撲好きで、親に国技館に連れて行ってもらった際には、現師匠の式秀(しきひで)親方(元北桜)と記念撮影をしたそうです。中学時代は陸上部でしたが、下半身強化のため四股を踏んだり摺(す)り足をしているうちに、力士になりたいという気持ちが強まったとか。中学卒業と同時に単身で茨城県龍ケ崎市の式秀部屋を訪れ、入門を直訴しました。親方は細身の服部桜を見て『呼び出しや行司になれ』と勧めましたが、『絶対に力士になる』と譲らなかった。新弟子検査の基準は67㎏。当時66㎏しかなかった服部桜は2リットルのペットボトルの水を一気飲みし、なんとか合格したそうです」(スポーツ紙記者)
 角界入りへの情熱は人一倍強かった服部桜だが、力士としては致命的な欠点があった。相手が当たりの強いタイプだと、途端に弱気になるのだ。そんな服部桜が9月場所3日目に対戦したのが、冒頭の錦城(185㎝130㎏)だった。
「錦城はアームレスリング全日本ジュニア2位の実力者で、師匠の九重(ここのえ)親方(元千代大海)が『相手にケガさせるなよ』と諭(さと)すほど当たりの激しい力士です。服部桜は、取組前から明らかに怯(おび)えていました。支度部屋では顔が真っ青。しかも運の悪いことに首を痛めていたため、まともに頭からぶつかれなかったんです。とても勝てる状況ではないと思い込み、わざと負けるような自爆相撲をとったのでしょう。本人は取組後『恐かった……』と漏らしていました(苦笑)」(同前)
 この取組は、相撲協会幹部から無気力と受け取られた。式秀親方は、二所ノ関審判部長(元若嶋津)から「厳しく指導しろ」と厳重注意を受ける。式秀親方は、こう言って服部桜を叱ったという。
「ぶつかっていかないのは見ているお客さんに失礼だ。自分の弱さを出すな。ああいう相撲を取ったら休場させるぞ!」
 服部桜は「二度と同じことはしません」と反省したそうだが、相撲ファンからは意外にも好意を持って受け入れられた様子。「がんばれ〜!」と、土俵に上がるたびに大声援を受けるようになったのだ。
 国技館では、全勝優勝の豪栄道より注目されていた服部桜。弱気の虫を捨て、巨漢力士を投げ飛ばす日は来るだろうか。

9月場所3日目の"無気力"取組
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問題の3シーン。①立ち合い後にわざと転び、②錦城の足元へダイブし、③後ろへ倒れる。頭から突っ込むことに恐怖を覚えたという
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