ビルも橋も!中国で続発する「建物大崩壊」の現場写真
2016.10.25
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ズサン工事の理由とは?
アパート倒壊で
20人以上が生き埋め
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浙江省で倒壊したアパート。住民からは「風が強い日など部屋が揺れてギシギシと不気味な音がした」との声も出ていた
 バリバリバリバリ……。
 中国東部の浙江省温州(ウェンチョウ)市に住む50代の男性A氏は、10月10日早朝、窓の外から聞こえてくる不快な音で目を覚ました。その直後、今度は巨大な建造物が崩れ落ちるような「ガラガラガラ!」という大音量が響く。驚いたA氏が外に出ると、周囲は土埃に覆われ何も見えない。
「ううう……。た、助けて……」
 しばらくすると徐々に視界が開けてきたが、そこに広がっていたのは悲惨な光景だった。近くにあったはずの6階建てアパート4棟が倒壊し、瓦礫(がれき)の下から苦しそうなうめき声が。路上には、人の腕らしきモノも転がっている。
 国営の新華社によると、生き埋めとなった22人が死亡。6人が重軽傷を負った。
「実際の被害者はもっと多いはずです。アパートには、地方からの出稼ぎ労働者が大勢住んでいましたが正確な人数はわからないと思います。家賃ほしさに大家は労働者をどんどん受け入れ、廊下にも人が寝泊まりしていたそうですから。増築に増築を重ね、10年ほど前は3階建てだったアパートはいつの間にか6階まで増えていた。なぜか役所は、この違法工事を黙認していたようです」(A氏)
 中国で建物の大崩落が続発している。山西省の山西大学建築学科の研究によると、’00年以降、年間の平均事故発生件数は30件以上。多い年には1000人近くが犠牲になっているのだ。ジャーナリストの富坂聰氏が解説する。
「原因は主に3点です。1点目がワイロ。土地の取得や工事には当局の許可が必要ですが、役人は業者に多額のカネを要求する。業者はワイロを捻出するために経費を削り、粗悪な資材を使っているんです。2点目が短すぎる工期。実際に工事を行う下請け業者は、元請けの要求を拒否できない。通常1年かかる工事を『半年で終わらせろ』と言われれば、強度などの安全検査を無視して突貫で進めざるをえません。3点目が曖昧な責任所在。報酬を受け取ると、行方をくらませてしまう業者は多くいます。手抜き工事で事故が起きても、責任追及されないようにしているんです」
 江西省九江(チウチアン)市では、修水(シウシュイ)県にかかる大橋が突然、長さ100mにわたり崩落した。8月21日夜8時過ぎのことだ。橋上を走行中だった乗用車とワゴン車が川に転落。3人が死亡、2人が腰の骨を折るなどの大ケガをした。地元紙記者が話す。
「橋が開通したのは’10年夏。当初の予定工期は3年でしたが、13ヵ月ほどで完成させたそうです。事故後の調査で橋脚に使われていたセメントには砂がまじり、なかは空洞だったことがわかりました。地元住民からは以前から『地震が起きたように橋が揺れる』とクレームが出ていましたが、当局は無視していました」
 中国は「保8」と呼ばれる経済成長率8%維持を命題に、公共事業を拡大してきた。一方で人命を軽視。この偏った政策が、崩落事故の続発を招いている。

道路陥没でトラック落下
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吉林省長春市ではコンクリートの強度不足のため道路が陥没。2名が重傷

劣悪素材で高速もポキッ!
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河南省の高速道路崩落現場。車やトラックが30m下に落下し9人が死亡

橋が折れて6人死亡
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四川省の山間部で橋が瓦解。走行中のトラックは急ブレーキで落下を回避
PHOTO:新華社/アフロ ImagineChina/アフロ
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