カジノ法案ゴリ押し 菅官房長官の背後にいる「二人のドン」
2016.12.12
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野党どころか党内の反発も押し切って
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「横浜のドン」として知られる藤木氏。審議前から「(カジノ法案は)通りますよ」と自信たっぷりに語っていた
 ついに日本にカジノがやってくる。
 全国紙全紙が「反対」の社説を掲げ、世論調査で国民の半分以上が反対するカジノ法案が12月6日午後、衆院本会議で自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決された。自主投票とした公明党の富田茂之幹事長代理は、
「亡国の法案ですよ。カジノが違法ではないという理由がきちんと説明されていない」
 と批判、参院自民党の一部からも異論が出ているが、自民党は今国会会期末の14日までに法案を成立させる考えだ。
 一体なぜこれほどゴリ押しするのか。背景には菅義偉官房長官(68)と「二人のドン」の存在がある。
「市議時代から菅さんを支援する横浜の港湾荷役業『藤木企業』の藤木幸夫会長(86)の存在が大きい。藤木会長は古くから港湾利権を仕切り、山口組三代目の田岡一雄組長とも親交があった『横浜のドン』。菅さんも頭が上がらない大物です。藤木氏の意向を知る菅さんは『活性化するためにカジノを横浜に持ってきたい』と話すなどやる気満々です」(全国紙政治部記者)
 藤木会長は本誌の取材にも、「俺がやるよ」と意欲を隠さなかった。
「カジノ誘致は京浜急行電鉄が音頭を取り、横浜の商工会議所や財界が中心になって研究会などを立ち上げ、話を進めてきました。藤木さんたちの港湾組合にも仁義を切っていた。フライデー(11月18日号)に載った藤木氏の唐突な発言に財界主流派は困惑気味ですが、実力者だけに無視できない。今後、菅さんを挟んで水面下で折衝が始まりそうです」(横浜市政関係者)

カジノ利権に群がる政治家
 横浜と並んで有力な候補地として挙がっているのが、大阪だ。
「松井一郎大阪府知事は11月9日に菅長官と面会し、’25年の国際博覧会(万博)の開催と並んでカジノ誘致に協力を求めました。以前から、折にふれて菅長官と会って、安倍政権の悲願である憲法改正への協力とバーターで大阪へのカジノ誘致を働きかけている」(自民党関係者)
 大阪府・市が想定する誘致先は大阪湾に浮かぶ人工島、夢洲(ゆめしま)。誘致をテコにインフラ整備を進める構想だが、難航も予想されている。
「実は『万博とセット』というアピールが逆にネックになっている。’05年に愛知万博があったばかりで、’25年はパリ開催が最有力と言われている。大阪が選ばれるか予断を許しません」(前出・自民党関係者)
 そこで候補地として急浮上しているのが、和歌山だ。
「和歌山県では’02年からカジノ誘致に取り組んでいます。和歌山は関西国際空港からの便も悪くなく、南紀白浜のようなリゾートも抱えて、昨今は熊野古道などを目当てにした外国人観光客が増加している。総合リゾート施設を作るにはうってつけです」(地元政界関係者)
 いまのところ関西圏でカジノ誘致に手をあげているのは大阪と和歌山のみだ。さらに和歌山県選出のドン、二階俊博自民党幹事長(77)が「やりてえな」と露骨に色気を見せている。剛腕・二階氏には安倍晋三首相、菅氏も一目置く。和歌山案が取り沙汰されるのはそのためだ。
 今回の法案はカジノを含む複合リゾート設置の概略だけを決めた「プログラム法」だが、今後、1年以内に開催地などの詳細について政府案が示される予定だ。
「永田町ではカジノは2〜3ヵ所で始まり、最終的には10ヵ所まで広がると言われています。どこが最初の2〜3ヵ所に選ばれるかは、各地域の政治家の力量にかかっている」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
 内閣の番頭・菅氏も配慮せざるを得ない「二人のドン」が奪い合うカジノ利権。よほどのウマ味があるようだが、いくらなんでもやり方が強引すぎやしないか。
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菅氏は「観光立国を進める観点からも十分審議してほしい」と発言
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二階氏は藤木氏とも親しく、カジノについても話し合ったという
PHOTO:小松寛之(藤木氏) 鬼怒川 毅(菅氏、二階氏)
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