「ポスト朴槿恵の最右翼」潘基文 国連事務総長に付いた「あだ名」
2016.12.20
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韓国では「世界大統領」と絶賛されるが国際評価は違うようで
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今年5月に帰国した際には、妻(右の女性)と韓国で最も豪華なホテルである「ロッテホテルソウル」に宿泊した
「10年間、事務総長として働いたことは私の人生の栄光で、心は常にここ国連にあります」
 ’16年末で退任する国連の潘基文(パンギムン)事務総長(72)が12月12日、国連総会で最後の演説に臨み、こう感慨を話したあと、
「祖国である韓国と国民、そして政府に最も深い感謝の意を伝えたい」
 と故国・韓国への謝意を述べた。
「明らかに大統領選出馬への目配せです。12月9日、朴槿恵(パククネ)大統領に対する弾劾訴追案が国会で可決。来春にも予想される次期大統領選で、潘氏は最有力候補と見られているのです」(韓国紙記者)
 世論調査によると、次期大統領の支持率で野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表(63)と潘氏が20%で並んでいる。
「韓国人で初めて国連事務総長になった潘氏を『世界大統領』と称するほど韓国内では評価が高い。国民は国内の政治腐敗に嫌気がさしていて、国連で活動している潘氏に漠然とした憧れがあるんです」(ジャーナリストの金敬哲氏)
 だが、高い国内評価の一方で、潘氏は国際世論から国連事務総長としての実力を疑問視されてきた。
 ’10年7月、英紙『ガーディアン』は潘氏を「透明人間」と評し、’09年12月にデンマークのコペンハーゲンで開かれた国連気候変動会議で合意形成に失敗したことを批判した。
 米紙『ニューヨーク・タイムズ』は、’12年にシリアで大虐殺が起きた際、潘氏がなんら手を打たなかったと非難した。
 英国誌『エコノミスト』は’16年5月21日号で、「歴代最悪の事務総長の一人」「話が下手で手続きに執着し、懸案への素早い対応能力や業務への理解の深さも不十分だった」と痛烈に批判した。
「10年間の任期中、業績というものは、思い当たりません。朝鮮半島問題くらいはカタをつけてほしい気持ちはありましたが、何一つとして解決できなかった」(コリア・レポート編集長の辺真一氏)
 主体性がなく、決断力もない――こう評される潘氏に付いたあだ名が「うなぎ」だ。
 潘氏は人事においても「縁故主義」だとして批判されていた。韓国人を国連内の有力ポストに次々と起用しただけでなく、’07年には女婿のインド人を国連イラク支援ミッション(UNAMI)の幹部に抜擢。同年に国連職員組合が「親類縁者や友人を頼った求職を批判する文書」を採択する事態にまで発展した。
「外交官出身でハーバード大学にも留学していますが、国連関係者のなかでは『英語が下手』という評価で一致しています。あるアメリカの研究者は’06年に潘氏の集会に出席し、『音調のない下手な英語と間の抜けた答えのために20分ほどで眠りに落ちた』と告白しています」(全国紙外信部記者)
 前出の辺氏もこう言う。
「極端な言い方をしますと、’11年に事務総長に再選したのは、韓国大統領選に向けての準備期間のような印象を受けます。『国連事務総長を足場に大統領になる』というのは虫が良すぎる」
 潘氏は来年1月中旬に韓国に帰国した後、立候補を表明すると見られている。「うなぎ」の野望は叶うのか。
PHOTO:YONHAP NEWS/アフロ
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