12.23 天皇誕生日会見「報じられない水面下の攻防戦」
2016.12.19
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陛下の「真意」を語る学友に官邸は「憲法違反の疑いもある」と猛反発
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まもなく83歳の誕生日を迎える天皇は、2年後の平成30年11月の新嘗祭までに譲位する意向を示しているという
「天皇陛下は、ご立腹です。
『有識者会議の議論とヒアリングは明治維新から先の大戦、終戦までのことしか考えていない。2000年の天皇のありようが、一顧だにされていない』と話されているそうです。安倍政権が進める法制化の議論、プロセスに強い疑念を抱かれている」(宮内庁関係者)
 天皇周辺と、安倍官邸の間の緊張が高まっている。
 12月1日、天皇と連絡をとりあった学友がその肉声を公開した。
「(退位は)自分だけの問題ではない。将来にわたって象徴天皇制のあり方がどうあるべきかが大切」
「僕の時だけの問題ではなく、将来を含めて可能な制度にしてほしい」
「摂政は良くないと思う」
 これらの発言を朝日・産経両紙で明かしたのは、天皇の幼稚園時代からの友人で同窓生の明石元紹(もとつぐ)氏(82)。天皇は今年7月21日、明石氏に対して電話で自らの考えを伝えていた。天皇は、過去に多数の天皇が生前譲位したという歴史的事実を繰り返し指摘したという。
 一方、4ヵ月以上経ったいまになって肉声が公開されたことに、官邸は強く反発している。

官邸幹部に「直談判」
「官邸幹部の一人は、『憲法違反の疑いもある』とまで発言し、陛下の意向を直接法律に反映させることの危険性を指摘していました。明石氏に対しては、学習院中・高等科の後輩にあたる麻生太郎副総理が、『政府として出来うる限りの努力を致しますので、お見守りいただきたい』と伝えた。これ以上は控えてほしいという牽制です」(官邸スタッフ)
 報じられていないが、実は明石氏は、天皇からの電話を受けた直後から水面下で行動を起こしていた。
 官邸関係者らによると、今年8月6日の午前10時に明石氏が首相官邸を訪問し、杉田和博官房副長官と約50分間面談。天皇の発言内容を詳細に伝えたという。ところが、その後の官邸の動きは明石氏らの期待を裏切るものだった。
「杉田官房副長官は、宮内庁長官、宮務主管らを相次いで交代させたうえ、自らの後輩である警察庁出身者を宮内庁次長や宮務主管に据え、情報管理を徹底するように指示した」(官邸担当記者)
 その後、有識者会議で6人の専門家が「生前退位は今回限りの特例とする」という考えを述べ、12月14日の会合でもその方向で提言することが確認された。
 明石氏が天皇の肉声を公にしたのは、こうした官邸の動きに対する失望からとみられている。
「いま注目されているのが、12月23日の天皇誕生日でどのようなメッセージが発せられるかです。政権を刺激する強い発言が飛び出さないか、側近はかなり神経質になっている。宮内記者会が今回、『この1年はどのような1年でしたか』と質問を提出しようとしたところ、侍従職から難色を示された。どうしても譲位に触れざるを得ないので避けてほしい、ということでしょう」(宮内庁担当記者)
 当の安倍首相はこの件について無言を貫いている。旧知の記者が「通常国会(で法制化)ですか?」と聞いても、
「…………」
 と一切口を開かなかったという。
「譲位」の法制化に対する天皇の執念に、安倍首相は遅まきながら恐れをなしているのかもしれない。
 誕生日会見での天皇の発言内容を、関係者は固唾を呑んで見守っている。
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安倍首相は有識者会議の初回で挨拶しただけで、一切口を閉ざす
PHOTO:共同通信社 雑誌協会
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