ASKA「覚醒剤再犯」は本当に濡れ衣だったのか
2016.12.22
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「本人の尿と確認できない」として不起訴・釈放
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釈放時は口元に笑みを浮かべ、署員や報道陣に対して軽く会釈も見せた
「何としても落とせ!」
 警視庁組対5課はそう取調官の尻をたたき、何としても自供を引き出そうと躍起になっていたというが、ASKA(58)の主張は揺らがなかった――。
 捜査関係者が「100%クロ」と自信を見せていた事件が、まさかの逆転不起訴となった。覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されたASKAが12月19日、釈放され警視庁湾岸署を後にした。
「『尿』として任意提出を受けた液体を鑑定した結果、覚醒剤を検出した。それは間違いない事実だ。ただ、逮捕後(ASKAは)『あらかじめ用意していたお茶を尿の代わりに採尿カップに入れた』と供述。捜査は尽くしたが、尿だと断定するに至らなかったということです」(警視庁捜査関係者)
 警視庁は「違法逮捕ではない」と強調しているが、起訴には他にもいくつものハードルがあった。
「ASKAの自宅や滞在先のホテルから覚醒剤は見つからず、携帯に売人とのやりとりも残っていませんでした。’14年に逮捕された際、ASKAは『完落ち』し、使用だけでなく、暴力団関係者から覚醒剤を入手したことも認めている。そのため、今回も早々に自供すると考えていたんでしょう」(全国紙社会部記者)
 さらに、警官の採尿方法に明らかな「失態」があったという。
「採尿時、警官は妻に立ち会ってもらいながら、背後からASKAの放尿を確認していた。しかし採尿は必ず、横に立って本人の身体から尿が出ているかを確認しなければならないんです。一連の様子は撮影しておき、採取が終わったら容器を持たせてこれも写真を撮り、完全な証拠としなければなりません」(元厚労省麻薬取締部捜査一課長の高濱良次氏)
 埼玉県警科捜研元課長で法科学研究センター所長の雨宮正欣氏もこう続ける。
「お茶から覚醒剤の反応が出ることは100%ありません。不起訴になったのはあくまで、尿を本人のものと断定できなかったからです」
 改めて尿を提出させるのも、今回のケースでは難しかったという。
「『お茶』と言い出したのが、逮捕から時間が経ってからだったのが警察にとっては計算外だった。尿から覚醒剤が検出できるのは、使用から5日程度。強制採尿したところで、検出できる可能性は低い」(前出・捜査関係者)
 ASKAはお茶を混ぜた理由について、「尿を出してしまったら終わりだ。必ず、陽性にされてしまう」と考えたからだと、釈放後にブログで説明した。赤っ恥となった組対5課の捜査員は、ASKAに押収物を返す際、淡々と感情を押し殺していたというが、密かに失態の挽回を狙っている。
「表情から『絶対に挙げる』という意気込みが伝わってきた。ASKAの執行猶予が終わる残り1年半、徹底的に行動確認をするでしょう」(同前)
 はたして、ASKAは本当に濡れ衣だったのか。
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逮捕当初から「100%無罪」を主張していたASKAは、警察車両のなかで捜査員と口論になったという
PHOTO:蓮尾真司
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