安倍首相と橋下徹が手を組む「連合政権」構想の全貌
2017.01.09
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クリスマスイブ会談で国政復帰を打診
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「盟友」の塩崎恭久厚労相(左)と話し込む。首相は解散戦略の練り直しを迫られている
「テレビ局から出演オファーはいくつもあるんでしょう?」
「そうですね。でもやっぱり、僕にはタレント業は合わないようです」
 ’16年12月24日、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急のレストランで行われた「クリスマスイブ会談」。2時間半に及んだ会談の終盤、安倍晋三首相(62)と橋下徹氏(47)は、こう言葉を交わし、同席した菅義偉官房長官(68)と松井一郎大阪府知事(52)は声をあげて笑った――。
 発足から4年を超えた第二次安倍政権に、陰りが見え始めている。
「10月の新潟県知事選で敗北し、12月15日の日露首脳会談でも成果はなかった。首相は盛んに成功をアピールしましたが、岸田(文雄)外相は『完全に失敗だった』と身内にはっきり言っている。このままいけば、2島の返還までに20年はかかるでしょう。さらに、天皇の生前退位をめぐって、安倍政権を支えてきた右派団体が猛烈に首相を批判しており、この状況を見た石破(茂)さんが若手議員に自身の派閥(水月会)への『勧誘電話』をかけまくるなど、風向きはかなり変わってきています」(自民党関係者)
 東北6県で1勝5敗と惨敗した’16年参院選のショックもまだ尾を引いている。全国の警察組織などを通じて密かに行った最新の選挙区情勢分析も、自民党にとって厳しいものだったという。
「次期衆院選では30議席、場合によっては70議席減らす可能性もある、という結果だった。安倍さんも『これは……』と言葉を失っていました」(官邸スタッフ)
 いまのところ世論調査の内閣支持率は安定しているが、高株価、低失業率などの経済状況が暗転すれば、支持率も吹き飛ぶ。安倍首相はやむなく、秘かに温めていた「1月通常国会冒頭解散」を諦めざるを得なくなった。
 この窮地を打開するための一手が、12月15日に衆院本会議で可決されたIR推進法、いわゆる「カジノ法」だ。
「カジノ誘致は関西圏の経済復興を目論む維新にとって切り札になる。カジノ法案を強行採決したことで、首相は維新に大きな恩を売った。橋下氏は次期衆院選で比例東京ブロックからの出馬が囁かれています。そうなれば維新の党勢は現在の15議席から一気に拡大するし、安倍首相もそれに期待している。『タレント業は合わない』と言ったのは、『選挙に出てくれ』という安倍さんの要請を応諾したのに等しい」(前出・自民党関係者)
 一方、この連合に不快感を示しているのが公明党だ。山口那津男代表(64)ら幹部は、カジノ法案にそろって反対票を投じた。
「官邸は『公明は連立政権から離れられない』と見込んで、根回しゼロでカジノ法案採決に突入したが、反発は思いの外大きかった。都議会で公明が自民を裏切り、小池百合子都知事についたのも、国政での怒りと連動している部分がある。総選挙になったら、公明党は東京で自民に協力しませんよ、という抗議のメッセージでしょう」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
 慌てた安倍首相は12月22日、山口代表、井上義久幹事長と会食した。会場は熟成された下関産の天然トラフグで知られる都内有数の高級料亭「い津み」。だが、一人3万円はくだらないてっちりを囲んでも会話は弾まず、安倍首相は側近に、
「真面目な人たちだからね」
 と漏らし、さっさと帰宅した。
 集団的自衛権、秘密保護法などで安倍政権に歯止めをかけてきた公明と離れ、橋下=維新との連合に突き進む安倍首相。’17年は、トランプ米大統領の向こうを張る「強い指導者」を目指すということか――。
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昨年末には松井知事らと宮古島に旅行。今後の党運営について話し合った
PHOTO:鬼怒川 毅(安倍首相) 田中利勝(橋下氏)
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