読まずには眠れない!超人気殺し屋マンガ『ザ・ファブル』の制作現場
2017.01.11
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マムシにカエル、虫まで実食…
作家・南勝久氏に単独インタビュー
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マムシの皮を剝ぐ南氏。「慣れると綺麗に剝けるんですよね。鶏肉みたいでけっこういけますよ」
 ぶっとい腕の御仁が捌(さば)いているのは、なんとマムシ。いったい誰がなんのために危険な毒蛇を捌いているのか?
「主人公の人格形成の原点が幼少期のサバイバル経験にある、というアイディアを思いついたのですが、本やDVDを見ても実感が湧かない。じゃあ自分で試してみるかと思ってスタッフを連れていろんなところに山籠もりに行ったんです。これは石川県の山やったかな。山で自給自足、となったら、蛇は貴重なタンパク源なんですわ」
 こう語るのは、現在ヤングマガジンで人気連載中の『ザ・ファブル』作者、南勝久氏(45)。ファブル(=寓話)と呼ばれ、裏社会の人間にも恐れられる殺し屋が活躍するこの作品は、主人公がボスに1年間の「休業」を命じられ、大阪の街で『佐藤明』という名前で暮らすというところから始まる。
「殺し屋のマンガは数あれど、"1年間殺しを封じられた殺し屋"という設定を思いついた時は『これはいままでにないアイディアや』とサブイボが立ちました(笑)」(南氏)
 一般人として暮らしながらも主人公には次々とトラブルが降りかかる。それを「殺人なし」でどうかわしていくのかが物語のキモになる。
 南氏の制作姿勢の基本は「リアルにこだわる」点にある。冒頭のエピソードもファブルが鈍った体を鍛え直すためにナイフ1本で山籠もりをするシーンを描くにあたり、同じ体験をしようと出かけた時のもの。南氏は荷物置き用のテントとナイフ、水筒、そして調味料として塩だけを持ち、二泊三日を過ごした。腹が減ると蛇以外にも虫でもカエルでもなんでも食べたという。
「マムシはアオダイショウに比べるとはるかに美味でした。人間やはり腹が減ったら、見た目なんて気にならないんです。そのあたりのリアルな感じは作品にうまく反映できたと思います」(南氏)
 南氏のリアリティを追求する作風はデビュー時から一貫していると言う。
「僕は生まれも育ちも大阪で、若いころは環状族という車専門の暴走族みたいな走り屋をしていました。その体験を元にしたのがデビュー作『ナニワトモアレ』です。第一部は主人公たちのアホな青春を描いていたのですが、車や持ち物にはこだわっていました。第二部の『なにわ友あれ』では、漫画としての面白さは失わずにさらにリアルにしたかった。いまでも主人公のセリフや身の回りのモノにいたるまで、"ホンモノ"を描きたいと思っています」
『ザ・ファブル』では、主人公ファブルの家はおろか、他の登場人物の暮らす部屋も実際に存在する。南氏が探し、借り上げ、改装までするというこだわりようだ。これら作品作りの裏側や南氏のプロフィールの詳細は現在発売中のフライデー増刊『ダイナマイト』に掲載されている。読めば「そこまでやるか」と驚くこと間違いなしだ。
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「塩味だけでは飽きてしまって、2回目の山籠もりからは醤油も持参しました(笑)」(南氏)
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『ザ・ファブル』では、バトルシーンのアクションも魅力だ©南勝久/ヤングマガジン
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