NHK「北方領土特番」核心部分は”官製映像”だった!
2017.01.13
LINEで送る

[singlemenu][ptitle]
昨年12月18日に放送されたNHKスペシャルにはカラクリがあった
image
1月8日、9日に行われたNHK世論調査で、内閣支持率は55%に上昇、不支持は29%に低下。首相はご満悦だ
「NHKスペシャルのあの映像には、度肝を抜かれました。
 総理大臣、国家安全保障局長、外務審議官、首相秘書官という政府の最高幹部が対ロ問題を話し合う会議にテレビカメラが入り、喧々囂々(けんけんごうごう)の議論を撮影しているわけですから。さすがに音声はありませんでしたが、これまで見たことのない映像でした」(全国紙政治部記者)
 昨年12月18日のNHKスペシャル「スクープドキュメント 北方領土交渉」の映像が政治記者の間で話題になっている。
 番組は安倍晋三首相(62)とロシアのプーチン大統領(64)が山口・長門市、東京で12月15、16日に会談した直後に放送されたが、なんといってもその核心部分は首相を囲む「御前会議」の映像だった。
 谷内正太郎国家安全保障局長(73)と今井尚哉秘書官(58)が激論するのを、安倍首相が聞いているシーンが、無音のまま放送されたのだ。
 しかし、この映像にはカラクリがあると官邸スタッフは告白する。
「あれは、NHKのカメラマンが撮ったものではないんです。ペルー・リマのホテルで、プーチン大統領との交渉直前の会議の様子を官邸のスタッフが撮影し、NHKに提供したと聞いている。総理が宿泊するホテルの一室にメディアのカメラマンを入れることはあり得ません」
 安倍首相に近いNHK政治部幹部も、本誌の取材にこう話す。
「今回の番組制作にボクはタッチしていないけど、総理はあの映像について、『NHK(のカメラマン)に撮らせたわけじゃないんだよね』と言っていたのは覚えている。『音なんか入ってないでしょう』と。あの映像を見た時には、ボクも驚いた。どういう経緯であの映像になったのかは、全然知らない。Nスペ事務局がすべて管理しているからね」
 12月20日に行われた首相とマスコミ幹部との定例懇親会でもNHKスペシャルが話題に出たという。番組を改めて確認すると、問題の映像には、
〈これは、政府幹部の打ち合わせを撮影した映像です。外交機密が含まれるため、音声は使用できません〉
 というナレーションが加えられていた。よく聞くと「誰が」撮影したのか、という肝心な点はボカされている。ほとんどの視聴者は、NHKのカメラマンが撮影したと誤解したはずだ。
「官邸丸がかえ」番組!?
 一連の対ロ交渉については、自民党の二階俊博幹事長が、「国民の皆さんの大半はがっかりしている」と事実上失敗だったことを認めている。
 しかし番組では、安倍首相のほか、岸田文雄外相、世耕弘成経産相、杉山晋輔外務次官ら政府高官が次々に単独インタビューに応じ、日本政府が多大な労力を傾けて対ロ交渉に取り組んでいたことをアピールしていた。日本政府の奮闘ぶりをNHKに放送させることで、世論のガス抜きを図る狙いがあったようだ。問題の映像も、その材料の一つだろう。
「(官邸提供という)事実を伝えなかったのは、番組が官邸丸抱えとみられるのが嫌だったのでしょう。最近のNHKの政治ニュースは、ただでさえ官邸寄り、と言われているからそうしたんでしょうかね。ありていに言えば、どこまで官邸に近いかを誇示する番組です。スクープとは違う。癒着です。NHKスペシャルの事務局は気骨もあるが、あの内容は残念の一言です」(元NHKディレクターの永田浩三・武蔵大社会学部教授)
 NHK広報部に見解を聞いた。
「NHKは、番組やニュースについて、報道機関として自主的な編集判断に基づいて放送しています。なお、個別の番組やニュースの編集判断や、取材の過程などの詳細に関しては、お答えを差し控えさせていただきます」
 NHKと官邸の関係については、こんな話もある。
「総理がNHKの『日曜討論』に出演した時、NHKのカメラマンが『自民党』という腕章をして控え室に入っていった。総選挙の党首密着でも、NHKだけはなぜか自民党の腕章を使って独自映像を撮りまくっている」(民放記者)
 何かと物議を醸した籾井勝人氏に代わり上田良一新会長が1月に就任するが、今後政府に対しどのようなスタンスを取るつもりなのか。見識が問われている。
PHOTO:鬼怒川 毅
LINEで送る