アパ 元谷代表が胸を張る”南京大虐殺否定本”の中身
2017.01.27
LINEで送る

[singlemenu][ptitle]
独特の思想の持ち主なのか、奇抜すぎるデザインの豪邸も次々と建設
image
麻布にある元谷夫妻の豪邸。「土地と建物を合わせて50億円以上」(不動産業者)というから驚きだ
「もうアパホテルには泊まらない!」
「中国の日本大使館にも訴えるべきだ」
 いま、中国のSNS『微博(ウェイボー)』にはそんな怒りの声が溢れている。アパのHPはサイバー攻撃と見られる異常なアクセスで一時、システムがダウン。中国の国家旅遊局は自国内の旅行業者や宿泊予約サイトに対し、アパホテルの利用中止や広告の撤去を要求した。まもなく始まる「春節」の旅行シーズンでも「アパボイコット」などの影響が出ると見られている。
 これらの事態を招いたのは、ホテルに置かれたアパグループ代表・元谷外志雄(もとやとしお)氏(73)の著書『本当の日本の歴史 理論近現代史学Ⅱ』である。
〈(南京で)三十万人を虐殺というのは計算が合わない。朝鮮半島で慰安婦にするために二十万人も強制連行したのであれば、それに対する抗議の記録が少なくともいくつかは残っているはずだ。しかし全く存在しない。つまり南京事件も慰安婦強制連行もなかったということだ〉
 他にも「張作霖爆殺事件はソ連の犯行だった可能性が高い。そのため日本が侵略国家だったという説は出発点から間違っている」など、様々な持論を展開している。
 著書には元谷代表が金沢の自宅ガレージで愛車のフェラーリテスタロッサやベンツ450と一緒に写るカットや、自衛隊の小松基地でヘリに乗り込む際の写真なども掲載されているが、中国側はその「歴史観」に強く反発した。
 元谷代表は右翼団体「日本会議」の支援者としても知られ、これまでも折にふれて同種の主張を繰り返していたが、今回は国際問題に発展しそうな雲行きだ。
東京・麻布の50億円豪邸
 元谷代表の「思想」を反映しているのは著書だけではない。東京・麻布の高台に敷地面積約280坪の豪邸を建築。壁面はガラス張り、巨大な岩を使った石垣に、鉄製の輪を繋ぎ合わせた外階段までついている。塔の部分は妻の芙美子(ふみこ)社長(69)の帽子をイメージしたという。近隣住民には「地域に馴染んでいない」「安物の竜宮城みたい」と評判は悪い。
 元谷夫妻は地元・金沢市にも敷地面積約290坪の豪邸を持っている。武家屋敷跡に建てられ、庭には小さな川まで流れているという。過去には東京・西麻布にも100畳のリビングと螺旋階段を備えた奇抜な豪邸を所有していたこともある。
 騒動を受け、いまのところアパは著書の撤去などの対策をとっていないが、業績にダメージを受ける可能性は高い。
「ネットも発達していますし、今後『アパホテルに泊まるのはやめよう』と"不買運動"のような動きになる可能性もあります。いま、ホテル業界は外国人旅行客に対する依存が大きい。ビジネス面から考えると、今回の件は不用意だったでしょう」(経済評論家・山崎元氏)
 元谷氏は一部メディアに対し、「正しいと確信する歴史を伝えただけだ。著書は置き続ける」と開き直ったような回答をしているが、騒動をどう収束させるつもりなのか――。
image
金沢の邸宅。一等地にある武家屋敷跡に建っており、「土地だけで約1億円」(地元不動産業者)という
image
’15年に撮影された元谷代表(中央)と芙美子氏(その左)
image
問題となっている元谷代表の著書。藤誠志は元谷代表のペンネーム
PHOTO:小松寛之(麻布) 幸多潤平(金沢) 共同通信社(元谷代表ら)
LINEで送る