菅義偉次期総理の大号令で進むデジタル化 今後伸びるDX銘柄60

ITバブル以来のビックウェーブがマーケットに訪れた!


菅義偉次期総理の大号令で進むデジタル化 今後伸びるDX銘柄60

テレビ会議で行われた全国知事会議(上)。移動や会場のコストがかからない。東証でもDX銘柄に注目が集まる


 あらゆる作業をデジタル化する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」。最近、この言葉を目にしない日はないが、政府がDXを推進し始めたのは2年も前のことだった。証券アナリストの松下律氏が解説する。


「’18年9月に経済産業省が、’25年までに日本企業がデジタル化に取り組まない限り、年間12兆円もの経済的損失を被るとの報告書を発表しました。このレポートの衝撃は大きく、マーケットでもDX銘柄が話題になりましたが、当時は大相場になることはありませんでした。

 しかし新型コロナで、状況が大きく変わりました。大人数を集める会議や遠距離の出張などをしなくても、ビジネスが成り立つことに多くの企業が気づいたのです。出張や打ち合わせにかけていたコストが減る分、その経費をDXに向けられるようになった。これで日本企業のDXが一気に加速することは間違いありません。しかも次期総理になる可能性が高い菅義偉氏はデジタル庁の創設に言及しています。DX銘柄が本格的な相場になるのはこれからでしょう」


 松下氏がDX銘柄の本命と太鼓判を押すのが、日本電気(NEC)だ。


「企業のDXに必要なシステムやソフトを提供する会社の筆頭がNECで、5Gの本格運用開始も追い風です。

 また、三菱UFJフィナンシャル・グループにも注目しています。メガバンクの中ではフィンテックの取り組みに積極的とは言えませんでしたが、現在、急速に支店の統廃合を進めるとともにDXも推進しています。これまで人海戦術に頼ってきた部分がITで効率化できるので、業績の改善が見込めるでしょう」


 DXに必要不可欠な技術の一つが人工知能(AI)だ。AIが人間の判断をサポートすることで効率化が進む。


「オプティムはAIを使ったシステム開発に注力し、ドローンと組み合わせて農業や建設現場での作業を効率化するサービスなどを提供しています。

 ALBERTは東京海上日動火災保険と連携して、交通事故の責任割合をAIが自動算出できるシステムを開発しました」(経済アナリストの田嶋智太郎氏)


 DXを進めるためのコンサルティングを行う企業にも注目が集まる。カブ知恵代表の藤井英敏氏が言う。


「チェンジは企業や公共団体にIT人材の育成サービスを提供しています。しかも、同社の子会社はふるさと納税申し込みサイトを運営しており、ふるさと納税の制度を作った菅次期総理候補にちなんで、『菅銘柄』とも言われています」


 コロナ禍で外出が思うようにできなくなり、一気にDXが進んだのが、電子商取引(EC)分野だろう。


「小規模事業者向けにECプラットフォームを提供するBASEは東証マザーズに上場しているDX銘柄の代表格です。

 スマホケースのネット販売が好調だったHameeは他社のEC支援にも注力して業績を伸ばしています」(株式アナリストの鈴木一之氏)


「ピアラは食品市場でECを行う事業者に新規顧客の獲得などのマーケティングを提供する会社です。今年7月にはマザーズから東証1部に昇格しています。

 Macbee PlanetはECコンサルティング事業が柱で、Web広告のデータ解析プラットフォーム『ハニカム』で成果を上げています」(フィスコマーケットレポーターの高井ひろえ氏)


不動産業界も変わる!


 これまでデジタル化と無縁だった業界のほうが変化は劇的かもしれない。不動産業にもDXの波が押し寄せている。前出の田嶋氏はこう話す。


「賃貸契約は不動産屋に行き、宅建の資格を持っている人から対面で説明を受ける必要がありましたが、実は’17年からオンラインで説明を受けることが可能になっています。またペーパーレス化の流れもあり、電子契約を可能にする動きもあります。コロナ禍を機に、紙やハンコでやり取りをするというビジネスモデルが大きく変わっていくでしょう。

 GA technologiesは、AIを活用した物件マッチングのサイトが主力です。子会社では、物件確認から内覧予約を自動化し、賃貸契約をオンラインで済ませる仕組みを構築しており、不動産業界のDX銘柄の本命です」


 医療もDXの余地が大きい業界と言える。投資情報会社ラカンリチェルカ代表の若杉篤史氏が言う。


「医療情報のネットワーク化を推進するメディカル・データ・ビジョンに注目しています。デジタル化することで、他の医療機関との連携が容易になるうえ、ビッグデータとして新しい治療や創薬に活用できる可能性があります」


 DXで大きく業績を伸ばす会社のみならず、DXにまつわるシステムを開発する裏方企業にも熱視線が集まっている。


「ビープラッツはサブスクリプション(定額課金制)のプラットフォームを開発・提供し、トヨタ自動車のサブスク『KINTO』にも採用されています」(ケイ・アセット代表の平野憲一氏)


「ネットを活用したマーケティング支援を行うネットイヤーグループの株価は低迷していますが、NTTデータの連結子会社化で、親会社の信用力をテコに将来的には期待できます。リスクが小さく、安定した値上がりを期待したいのであれば、伊藤忠テクノソリューションズや野村総合研究所など、DXを導入する企業を支援する会社がおすすめです」(経済・金融アナリストの津田栄氏)


 ITバブル以来のビッグウェーブがマーケットにやってきた。DX銘柄を吟味する際には、表も参考にしてほしい。


菅義偉次期総理の大号令で進むデジタル化 今後伸びるDX銘柄60


菅義偉次期総理の大号令で進むデジタル化 今後伸びるDX銘柄60


菅義偉次期総理の大号令で進むデジタル化 今後伸びるDX銘柄60


PHOTO:鬼怒川 毅(東証) 時事(知事会議)



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