アメリカ極悪犯刑務所の日常 レイプ犯はその日のうちに始末される

FBIに逮捕され10年以上服役した日本人チカーノ・ケイが明かす驚愕体験


アメリカ極悪犯刑務所の日常 レイプ犯はその日のうちに始末される

インタビューに応じるケイ氏。ハワイでFBIに逮捕され、アメリカで10ヵ所以上の刑務所に服役したという


 味噌樽に3㎏の覚醒剤を入れてハワイに密輸したんですが、FBIのおとり捜査に引っかかり、滞在先のホテルに踏み込まれた。トイレにブツを流したんですけど、2㎏しか流せなくて。逮捕されて、懲役10年8ヵ月の判決を受けました。


 そう語るのは、チカーノ・ケイ氏(57)。’61年に東京都中野区で生まれ、中学時代に極道の世界へ入り、’93年に覚醒剤の密売でFBIに逮捕された人物だ。’07年に出版した著書『KEI チカーノになった日本人』(東京キララ社)が話題を集め、今年5月には新刊 チカーノKEI 歌舞伎町バブル編 を上梓。『チカーノKEI〜米国極悪刑務所を生き抜いた日本人〜』で漫画化、今年春には映画化もされた伝説のアウトローが、アメリカ極悪刑務所での驚愕体験を明かした。


 最初に入ったのは、LAのトミノアイランド刑務所でした。アメリカでは刑の重さによって刑務所のレベルが1~5とあり、トミノアイランドはレベル4。その後、各地の刑務所を転々とし、最後はレベル5のカリフォルニアのランパークに行きました。


 向こうの刑務所は、すべてが自由です。16時のカウント(点呼)だけ守れば、あとは何をしていてもよかった。部屋で昼寝してようが、ジムで鍛えてようが、シャワー浴びてようが、誰にもとがめられない。野球場もテニスコートもあり、テレビも見放題でした。


 飲み物も食べ物も、刑務所内の売店でだいたい買えます。でも、売ってないものでも、すべて手に入る。向こうの刑務官はメチャクチャ薄給で、職務意識はゼロ。だから、彼らにカネをわたせば、何でも外から買ってきてくれるんです。むしろ「何か欲しいものない?」と聞いてくるくらい。売春しているオンナの刑務官までいましたよ。


 それだけ自由だから、トラブルは日常茶飯事。刑務所には約2500人が収容されていたけど、恐れられていたのはメキシコギャングですね。囚人の60%くらいはメキシコ系で、彼らは命令系統もきっちりしている。上の人間が誰かともめれば、下の者がすぐ報復します。


 自分もギャングの抗争に巻き込まれて、ジムでベンチプレスをやっているときに顔を刺されたことがあります。やっぱりベンチプレスをやっていたら、5㎏の重りで殴られて、目の下を陥没骨折したこともある。


 あと、ヤバいのはキューバ人です。ある日、キューバ人が昼寝している近くで騒いでいる黒人がいて、口論になった。キューバ人はその場はスッと引いたんですが、夜、鉄製の椅子の足をもいで、寝ている黒人の頭をザクザクに刺した。黒人の顔はザクロみたいになっていましたよ。私が知っているキューバ人は、もめた相手をその日のうちに絶対殺します。


 そんなギャングたちが、まとまるときもある。たとえば、レイプ犯や子供にイタズラした奴が入ってきたとき。そういった犯罪者は嫌悪されているので、だいたいその日のうちに始末されますね。


 もう一つ、囚人がまとまったのは、’96年10月の大暴動です。大統領選の公約で、ビル・クリントンが「恩赦の日数を増やす」と言った。でも、’96年に再選したあと、10月の憲法改正でそれを守らなかったんです。


 刑務官の事務所に火炎瓶は投げ込まれるし、オンナの刑務官は全員レイプされているし、どえらいことになる。態度のデカい刑務官が、バットを持った30人くらいの囚人に追いかけられて、野球場の真ん中でボコボコにされたのを見たこともあります。


 そんな環境で10年以上を過ごし、日本に帰った。「チカーノ」と呼ばれるメキシコ系アメリカ人との刑務所内での交流をきっかけに、日本でチカーノ系ブランドを経営しています。同時に、ボランティア団体も立ち上げ、非行少年などの更生の手助けもしている。自分の体験を語ることで、何かを考えるきっかけになってくれればと思っています。


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囚人仲間と食事をする服役中のケイ氏。英語はまったくできなかったが、所内で映画を見て勉強したという

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日本人の囚人は一人だけ。和彫りの入れ墨は珍しがられ、他の囚人に無断で触られ、喧嘩になることもあった

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PHOTO:小松寛之(インタビュー・特写) 『改訂版 KEI チカーノになった日本人』(KEI著/東京キララ社)より


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