“街ブラ”&旅番組で横行する「企画パクリ」の現実をテレビ関係者が告白

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

“街ブラ”&旅番組で横行するパクリの現実をテレビ関係者が告白

映画『カメラを止めるな!』の関係者たち。左から3人目が渦中の上田監督。その右隣が主演の濱津隆之だ。全国拡大上映が決まった際の舞台挨拶から


 低予算ながら興行収入19億円を突破した映画『カメラを止めるな!』の盗作疑惑が浮上している。上田慎一郎監督が「着想を得た」とする舞台の演出家が(エンドロールで表示されている原案ではなく)「原作表記にして欲しい」と訴え、一部メディアが“パクり”と報じているのだが、人気バラエティ番組のディレクターは「あの程度のパクりはテレビ業界では日常茶飯事」と苦笑いする。


「改編期前に『○○っぽい企画を出して』と局のプロデューサーから指示されますからね。とくにアイディアで勝負しているテレビ東京の番組はパクられやすい」


 なかでも『家、ついて行ってイイですか?』や『YOUは何しに日本へ?』のような「素人密着型の番組はパクられやすい」と制作会社プロデューサーは言う。


「去年の秋ごろ、フジテレビのお偉いさんから外部スタッフに『テレ東っぽい企画を出して』というメールが届いたことがありました。去年12月に放送された『私の家を壊して下さい』、先月放送された『密着!バスタ新宿でワケあり旅人に便乗してみました。』は、その際の募集で集まってできた番組だと言われています。設定がちょっとでもアレンジされていれば、テレビ業界では『これはパクりにあたらない』と判定されますから」


 とはいえ、アイディアを盗んだだけで上手くいくほど甘くはない。


「例えば本家『YOU~』は、これまで約9万人に声をかけてオンエアに至ったのはわずか数百人という世界。『家、ついて行って~』は常にロケ隊を50チーム出している。それぐらい時間と手間をかけないと、面白い素人には出会えないんですよ。番組をパクったものの、オンエアに値するVTRが全然撮れず、お蔵入りになった番組もあるそうです」


 新人の放送作家の企画を盗む不届き者までいるという。被害者が告白する。


「私がまだ駆け出しのころの話です。人気バラエティ番組を何本も担当する先輩放送作家に『今度、俺が担当する番組のスタッフを紹介してあげるよ。ついては君の実力を把握しておきたいから、俺に企画を出してみて』と言われて、何十本とプランを出したことがありました。すると後日、まさに自分が出した企画がオンエアされたのですが……クレジットされていたのは先輩作家の名前。聞けば、その人は新人に声をかけてはアイディアをパクる常習犯だったことが判明しました……」(中堅放送作家)


 撮影許諾を取るのが大変な"街ブラ"番組や旅番組ではパクりが横行しているという。キー局ディレクターが言う。


「やたらテレビに取り上げられるレストランや商店街があることにお気づきの視聴者もいるでしょうが……実はあれ、『どこかの番組で紹介している=撮影に協力的な店&エリア』という情報が、業界で共有されているから起きる現象なんです。『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)の公式サイトでは、お邪魔したスポットの連絡先まで紹介されている。参考にしている旅番組スタッフは多いですね」


 たしかに模倣は創作の原点ではあるけれど、これじゃ、あまりに志が低すぎるのではなかろうか……。

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