「素人エキストラ頼み」でトラブル続出の撮影現場

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television 第21回


「素人エキストラ頼み」でトラブル続出の撮影現場

都内でドラマの撮影を行う坂口健太郎。ボランティア・エキストラの増加にともない、不審者が現場に紛れ込む等のトラブルが散見されるようになった


 特番で人気を博したテレビ東京の『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』が、今春から月一のレギュラーに昇格した。しかし、2月18日に岐阜県で行われた撮影で、魚を一時保管する水槽が足りず、池の魚が大量死していたと複数の参加者から報告され、テレビ東京が謝罪する事態となった。


 人気が出るにつれてボランティアで参加する人が増加。撮影の規模も大きくなったことで、対応する専門家やスタッフの数が追いつかなくなり、今回の悲劇が起きてしまったのだろうとキー局ディレクターは見ている。


「視聴率不振に伴う経費削減で、どこの局もボランティアや素人参加企画に頼らざるを得ない状況になっている。ボランティアならたしかに予算は削減できますが、トラブルも増えているんです」


 テレビドラマでも、以前はエキストラを雇うことが多かったが、ノーギャラで交通費も自腹というボランティアのエキストラを使う作品が増えているという。


「謝礼は『番組グッズのみ』というところが大半です。それでもジャニーズや人気俳優らが参加する作品は応募者が殺到する。逆に人気俳優が出ていない作品だと撮影当日までメルマガやSNSで参加者を募集したり、現地で地元の人をスカウトすることも……」(制作会社AD)


 たしかにボランティアのエキストラなら制作費は安くつく。だが、キー局ディレクターは「無用なトラブルが増えましたね」と打ち明ける。


「出演者の熱心なファンだと約束事をちゃんと守ってくれるんですが、ただのミーハーな素人がエキストラをやると、情報解禁前にSNSに収録現場の写真をアップしたりする」


『家、ついて行ってイイですか?』(テレ東系)など、ユニークな素人をフィーチャーする番組が増えているが、放送後に裁判沙汰寸前になることもあるそうだ。


「街をブラつくロケで声をかけたぐらいのレベルでも、いまは必ず『出演同意書』を書いてもらっています。それでも、『あんな形で使われるとは思わなかった』『酔っていて覚えていない』などクレームが入ることが多い。余計な仕事が増える一方ですよ」(前出・AD)


 また『SASUKE』(TBS系)などの"カリスマ素人出演者"がいる番組にはこんな悩みも。


「人気があっても、常連であってもノーギャラだから、あまり強くは言えないのですが……有名出演者のなかには『SASUKE』の名を使ってスポンサーを集めたり、胡散(うさん)臭いビジネスを始める人もいて……。もちろん、ウチはまったく関与していないんですが、クレームは局に来るんですよね」(TBS関係者)


 女性問題のトラブルもけっして少なくない。TBS関係者が続ける。


「一般人なのに追っかけがいる出演者がいて、SNSを介してファンとつながり、揉(も)めたことがありました。タレントかよって(笑)」


 素人番組全盛のいま、制作スタッフの悩みのタネは尽きそうにない。


PHOTO:川上孝夫

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