介護福祉士になったグラビアアイドル・村上友梨の告白

なぜセクシーを封印して、高齢者福祉に人生を捧げる決断をしたのか


介護福祉士になったグラビアアイドル・村上友梨の告白

車イスでの散策中、頃合いを見て歩行訓練。「カッコいい写真を撮ってもらおうね」と励まし、見事に成功


「目に入ったもの、草木や花、何にでも興味を持つから、ホームの周りを散歩するだけで30分かかっちゃいます」


 80代女性と手をつないで戻ってきた村上友梨(27)は、言葉とは裏腹に白い歯を見せた。『ミスFLASH2009』準グランプリに輝くなど、グラドルとして活躍した彼女は現在、都内にある認知症対応型共同生活介護――いわゆるグループホームで介護福祉士として働いている。


「多いときは週5で勤務していますが、毎日楽しくてしょうがない。一度も辞めたいと思ったことはないです」


 華やかな芸能界から、人生を180度転換させたキッカケは7年前の祖母の死にあった。認知症を患(わずら)っていた祖母はお風呂介助を受けていた際に転倒。足を折って寝たきりとなり、数ヵ月後に亡くなった。


   どんな介護をすればベストだった?


 しばらくモヤモヤする日々を過ごした。それも忙しさの中で次第に忘れていったのだが、4年前のある日、突如、そのときの想いが蘇(よみがえ)った。


「当時はまだグラビアのお仕事をしていたんですけど、常に『私、このままでいいのかな』という不安を抱えていたんです。取材で『ハマっているものはありますか?』と聞かれても、とくにこれというものがない。その場で取り繕(つくろ)う自分がすごくイヤだった。『これだけは誰にも負けない』という強みが欲しかった。いつまでもグラビアの仕事ができるわけじゃないし――と悩む中で、ふと、お祖母ちゃんと介護のことを思い出した。中学時代、職場体験学習で選んだのも介護だった。私、介護に興味があるんだって、自分の中でストンと落ちるものがあった。そこから早かったです。いま働いているホームの面接を受けて、1ヵ月も経(た)たないうちに働き始めていました」


 ところが、割り振られたのは掃除や食事作りなどの軽作業ばかりだった。


「芸能人だからと気を使われているのと同時に『どうせ腰かけだろ?』という見方もあったと思います。それが悔しくて、すぐに資格取得に動き出しました」


国家試験のためグラビア卒業


 まず『介護職員初任者研修』(旧・ホームヘルパー2級)を取得。450時間もの講習を受けて、『実務者研修』にもパスした。3年の実務経験を積んで、国家資格『介護福祉士』の受験資格も得た。


「資格がなくても働くことはできるんです。でも、ホームに預けているご家族の気持ちを考えたら、資格を持っているほうが安心ですよね。実際、講習を受けたことで身についた技術がいくつもある」


 熱意が伝わり、周囲が少しずつ変わっていった。「その抱え方だと身体にアザができちゃうよ」などとアドバイスしてくれるようになった。


『介護福祉士』国家試験を突破するため、26歳でグラビアを卒業。一日8時間の猛勉強の末、今年3月、見事に合格した。


「『4K(キツい、汚い、危険、給料が安い)なんでしょ? 大丈夫?』と言われることもあります。たしかに日々、いろんなことが起きます。喉を詰まらせたり、自分の便を手でつかんでしまったり――いいことばかりではない。イヤなものはイヤですよ。でも、『逆の立場だったらどうしてほしいか』を考えたら、迷いはなくなる。それに私って、ちょっと潔癖症なんです。『キレイにしたい!』という性分を介護に生かせばいいんですよ。考えてみれば、グラビアの撮影現場のほうがよっぽど過酷でした。虫が這(は)っている岩の上に寝転がれって言われたり(笑)」


 ホームで働き始めて5年目になるが、「毎日が発見の連続。勉強の日々。新鮮で全然、飽きない」と笑う。


「利用者さんと一緒にいるうちに、その人の人生が見えてきます。国語の先生だったとか、赤ちゃんが大好きだとか。認知症が進むと怒りっぽくなる人もいるんですけど、大好きだった人の名前を出すと、とたんに穏やかになったりする。それぞれ違う人生があって、それぞれ響くものが違う。実はいま、後進の育成を任されています。これが介護よりよっぽど難しい。介護業界にも課題がたくさんあります。『この給与では家族を養えない』と結婚を機に泣く泣く転職した優秀な介護士をたくさん見てきました。一方で、『誰でもできそうな仕事だから』と介護を低く見てこの世界に入ってくる、向上心に欠けた人も少なくない。だから――介護の楽しさややりがい、大切さを発信できる人でありたい。私が介護のイメージを変えていけたらいいなって」


 介護福祉士は「天職」だと言い切る彼女。これ以上の「強み」はないだろう。


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ある日の出勤風景。時間が許す限り、早番も遅番もこなす。仕事に欠かせないのは「睡眠と腰のサポーター」


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同じ目線で、その人に刺さるワードを選んで語りかけるのが村上流。疲れは「ありがとう」の笑顔で吹き飛ぶ


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笑いが絶えない食事介助で見事完食


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車イスからベッドへの移乗介助は1分も経たずに完了した


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本誌未掲載カット 介護福祉士になったグラビアアイドル・村上友梨に密着インタビュー
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PHOTO:村上庄吾

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