西武リーグ連覇を支えた「巨漢の中継ぎ」平良海馬インタビュー

体重100kg投手が投げる球速158kmのストレート


西武リーグ連覇を支えた「巨漢の中継ぎ」平良海馬インタビュー

メットライフドームにて。173cm99kg右投げ左打ち。2018年に沖縄・八重山商工高からドラフト4位で入団


「僅差の展開でホームランが出れば一発逆転という場面で投げること。それがいまの自分の役割です。対戦したいのは、とにかくホームランバッター。誰であろうと絶対にホームランだけは打たれたくないので、力のあるバッターに対して力勝負で抑えたいんです。

 マウンドに上がって投げてみないとその日の状態はわからないけど、今日はどんな感じなのかな? と自分の状態を考えながら投げているのが楽しいです」


 パ・リーグ二連覇を果たした埼玉西武ライオンズ。大量点をむしり取るような強打者を揃えた打線には、シーズン通算100打点超えを果たした森友哉、山川穂高、中村剛也ら、ガタイのいいオトコたちがずらりと並ぶ。が、迫力満点の打撃陣に対して、投手陣はイマイチ不安が残っていた。そこに今年後半、彗星のごとく現れたのが、100kgの巨漢・中継ぎ投手、平良海馬(たいらかいま)だ。決して饒舌ではないが、まだ19歳にして、ふてぶてしささえ漂う。


「今シーズンの選手名鑑では95kgと載ってますが、今は98~99kgぐらい。自分でもベスト体重はわかりませんが、今より痩せてしまうと、身体は軽くなるけど力が出なくなるので、これぐらいのほうがいい。増やせば増やすほど球は速くなるのか? それともキレが悪くなって遅くなるのか? いずれ、自分自身の身体で試してみたいなと思ってます」


 こう話す平良の活躍がなかったら、西武がソフトバンクを逆転してのリーグ優勝はなかっただろう。


 沖縄県石垣島出身の平良は、小学校1年生から野球を始めた。


「最初に野球を始めた時はキャッチャーだったんです。といっても固定ではなくて内外野もやらされたり。ただ、中学2年の時に部員が足りなくなって、監督から『平良、お前、ピッチャーのほうがいいんじゃないか?』と言われて投げるようになりました。高校になっても自分は身長も高くならないし、腕も長くない。だけど身体が横に大きかったので、体重を増やせば球も速くなるかなと思って意識して身体を大きくしたんです。高校3年の6月には150キロ以上で投げられるようになってたので、甲子園には出られなかったけど、もしかしたらプロにいけるかな、と思うようになりました」


 体格と球速に眼がいきがちだが、実は投球術にもこだわりをもっている。小学生の頃から、常に打者を想定し、試合全体を考えて投げるのが癖だったという。


「言われたことをただ漫然とやるのがあまり好きではなくて、自分で考えたことを試すタイプだったと思います。だって周りと同じことをしていても仕方ないじゃないですか? 最初はキャッチャーでしたから、セカンドに強い球を投げるにはどうすればいいのか? ということを常に考えていました。いまでもその考え方が根底にあって、"速い球"より"強い球"を投げたいと思ってます。

 158キロが出た時、160キロを意識するかと聞かれましたが、僕にとってはスピード表示より威力ある球のほうが重要なので、それほど気にしていません。そのためにもウエイトと体幹トレーニングは、もっともっとやっていかないと」


 朴訥な話し方の中に強い意志が見え隠れする平良は、そのマウンド度胸も19歳とは思えない。8月13日には打者への危険球で一発退場。相手ベンチから血相を変えた選手が飛び出てきても飄々とマウンドを去って行った。


「打者がベース寄りに立っていて、インコースを攻めないで打たれたらダメだと思って投げたけど失投してしまった。すみません、とは思いましたが、当てようと思って当てたわけじゃないですし。その後の試合でも普通にインコースを投げてますよ。試合ではギリギリのところを投げないと打たれますから。僕は(気に病むとか)そういうの、ありません」


 現在は中継ぎだが、抑えを任されるようになるのが目標だ。


「増田(達至)さんのような抑えが目標です。あとセットアッパーの平井(克典)さんみたいに何試合投げても壊れないピッチャーになることができたら、と」


 CS直前の全体練習を終え、グラウンド脇でポーズをとる平良に「お~、撮影かぁ!」と先輩たちがひやかすように声をかける。そんな"後輩いじり"にも照れたように笑うだけだ。テレビでおなじみの梅干しキャンディ「男梅」のCMキャラクターに似ているからと、チーム内では「男梅」と呼ばれている。


「上本(達之ブルペン捕手)さんにつけられたんですけど、正直、自分では似てないと思うんですよねぇ。でも、ガッチリ体型といわれればその通りなんで、アダ名で呼ばれても全然オーケーです」


マウンド上でも男らしさ全開で、相手を圧倒する投げっぷりが持ち味なのだ。


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「休日に遊びにいきたくても、合宿所は田舎なんで。車の免許も球団規定で20歳にならないと取れないし、ボーッとしてます」


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「今シーズン、1回は一軍に上がりたいと思っていたのでうまくいった年でした」コーチ陣は昨年から平良を高く評価しており、活躍にも驚きはなかったという
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PHOTO:小松寛之


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